研究課題/領域番号 |
20K09957
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
板東 美香 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10510000)
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研究分担者 |
木戸 淳一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (10195315)
稲垣 裕司 徳島大学, 病院, 講師 (50380019)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 糖尿病関連歯周炎 / オーラルフレイル / バイオマーカー / 酸化ストレス / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、高齢者糖尿病関連歯周炎患者に対するオーラルフレイルの新規リスクバイオマーカーを探索すること、さらに、糖尿病合併症の原因の1つである最終糖化産物(AGEs)による歯周組織局所における炎症増悪化の機序を詳細に調べるとともに、その抑制方法をin vitroで探索することを目的とし、糖尿病関連歯周炎患者に対するフレイル予防につながる臨床研究と基礎的研究を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、「糖尿病関連歯周炎とオーラルフレイルに相関する新規バイオマーカーを探索すること」を目的とする。具体的には、65歳以上の糖尿病に罹患していない歯周炎患者と糖尿病関連歯周炎患者からデンタルプラーク、唾液および歯肉溝滲出液を非侵襲的に採取して、それらの中に含まれる種々のバイオマーカー(酸化ストレスマーカー・グリコアルブミン・カルプロテクチン)や歯周病原細菌を測定し、従来のオーラルフレイル評価法との相関を調べる。 本研究は、徳島大学病院医学系研究倫理審査委員会の承認(番号3729)を得て実施した。徳島大学病院歯科と枡富歯科医院を受診した65歳以上で、現在歯数が10本以上の患者を研究対象とした。問診にて糖尿病歴を確認した後,歯周病検査を行い、さらに唾液および歯肉溝滲出液を採取した。唾液中の歯周病原細菌をサリバチェックラボ(GC)で検出し、歯肉溝滲出液および唾液中のバイオマーカー(8-OHdG, Advanced Glycated End Products; AGE, Calprotectin; CPT)レベルは、各種ELISAキットを用いて測定した。また、オーラルフレイル診査は①口腔衛生状態②口腔乾燥状態③咬合力④舌口唇運動機能⑤舌圧⑥咀嚼機能⑦嚥下機能の7項目を評価し、3項目以上の該当でオーラルフレイルと判定した。 現在までの結果をまとめると、65歳以上の対象被験者は、糖尿病患者が41名、非糖尿病患者75名の計116名であった。性別・歯周病の程度に有意差はなかった。糖尿病患者群ではオーラルフレイルの割合が非糖尿病患者群と比べて多い傾向にあり、その中でも咀嚼機能および舌口唇運動機能の低下が有意に認められた。糖尿病患者群では、歯肉溝滲出液中の炎症性マーカーであるCPTレベルおよび唾液中の酸化ストレスマーカーである8-OHdGレベルが有意に高かった。糖尿病罹患は、歯周病のみならずオーラルフレイルの状態および口腔内のバイオマーカーレベルに影響を与える可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定では、症例数200を目指していたが、現在116名である。残り予算と1人あたりの診査費用を考えると150名くらいを最終目標と考えている。今のデータをまとめ、5月に行われる春季日本歯周病学会でポスター発表を行うこと、今年中に論文を作成することを目指している。以上のことから概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は臨床研究結果をまとめて論文作成するにあたり、不足している糖尿病患者の症例のみ収集し解析を行っていく。新規糖尿病患者の多人数のリクルートは困難であるが、枡富歯科医院や徳島大学に初診で来院され、糖尿病の既往がある方全員に、本研究の説明を行えるよう再度研究協力者に周知を行う。同意が得られた糖尿病患者はスムーズに診査に入れるような体制(診査器具・材料)を整える。
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