研究課題/領域番号 |
20K09967
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
阿南 壽 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 病院顧問 (80158732)
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研究分担者 |
松崎 英津子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (20432924)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | PSリポソーム / 生体活性ガラス / M2マクロファージ / 多核巨細胞 / リモデリング / 骨形成 / 骨再生療法 / GBR / 骨組織マクロファージ / マクロファージ / 骨再生 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の代謝回転の低下した広範な骨欠損部の環境に調和した新規の骨組織修復法の開発を目指して、骨吸収抑制作用を有するホスファチジルセリンリポソーム(PSリポソーム)と足場材である生体活性ガラスを併用した骨再生法の効果について検証することが本研究の目的である。PSリポソームの骨吸収抑制効果および抗炎症効果に着目し、生体活性ガラスと骨組織マクロファージ(OsteoMacs)とのカップリングに及ぼす効果について分子生物学的および免疫組織学的に解析する。また、動物モデルを用いて、生体活性ガラスおよびPSリポソームの併用療法による効果的な骨組織誘導再生法について検討する。
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研究実績の概要 |
本年は培養系を用いて、PS リポソーム(PSL)のマクロファージに及ぼす抗炎症性作用およびマクロファージ M2 タイプへの変換機構について検討した。実験には、倒立顕微鏡(オリンパス(株)・CKX53)を用いた。ヒト単球系 U937 細胞を通法に従いPMA (100 nM)でマクロファージに分化させ、E.coli 由来 LPS (100 ng/ml)またはIL-4 (20 ng/ml)+IL-13 (20 ng/ml) にてM1/M2マクロファージへ分極させた。PS L(100μM)添加によるマクロファージのサイトカインの発現変動について検討した。 解析方法として、TNF-α、IL-6、IL-10 の発現について、ELISA 法を用いて解析した。その結果、PSL(100μM)をLPS刺激下でM1マクロファージに適用すると培養上清中の炎症性メディエーターであるTNF-αおよびIL-6の産生は著明に抑制された。一方、IL-4およびIL-13刺激下でM2マクロファージに適用したが、抗炎症性メディエーターであるIL-10産生は若干の増加にとどまった。実施した実験条件(既発表の論文を参考とした)では、M2マクロファージへの分極が十分でない可能性も考えられ、更なる検討を実施しているが、PSLはM1マクロファージに対する抗炎症効果が強力であり、その結果、骨欠損部におけるM1/M2マクロファージの分極バランスを早期にM2マクロファージ優位に調節する可能性が推測された。以上のことより、PSLはマクロファージ系細胞を介して骨欠損部におけるBAGの骨修復能を促進することにより、骨組織のリモデリングを促進する可能性が示唆された。
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