研究課題/領域番号 |
20K09974
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山口 幹代 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (30523089)
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研究分担者 |
恵比須 繁之 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教授 (50116000)
岡本 菜々子 (栗木菜々子) 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (60781432)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | デンタルバイオフィルム / 歯性菌血症 / バイオフィルムの能動的脱離 / バイオフィルム |
研究開始時の研究の概要 |
バイオフィルム感染症では、バイオフィルムから一部の細菌細胞の脱離が生じることで、急性化や感染の拡大が起こる。歯科領域において、デンタルバイオフィルムの脱離は、歯科疾患の急性化、歯性菌血症、ならびに口腔細菌の関与が示唆されている全身疾患の発症や増悪の誘引となると考えられ、その制御法の開発は急務である。そこで本研究では、細菌細胞の脱離のうち、持続感染の発症・継続に大きな役割を果たすと考えられる能動的脱離に焦点をあて、口腔内から採取したバイオフィルムの能動的脱離メカニズムを明らかにすることで、科学的根拠に基づいたバイオフィルム制御法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、歯性菌血症の要因となるデンタルバイオフィルムからの口腔細菌の能動的脱離メカニズムを明らかにすることを目的に、ex vivo バイオフィルムモデルの確立を試みている。大阪大学歯学部附属病院を受診し、歯周病治療あるいは根管治療が必要とされ、6 mm以上の歯周ポケットあるいは直径5 mm以上の根尖病巣を有する歯が存在すると診断された外来患者から臨床試料を採取した。歯周ポケット試料については、歯周ポケット深さが6 mm以上存在する部位を選択し、歯肉縁上プラークを除去した後、滅菌したグレーシーキュレットにて歯肉縁下バイオフィルムを採取した。根管内試料については、ラバーダム防湿後、Kファイルによるファイリング操作にて根管内バイオフィルムを採取した。 採取したバイオフィルムはそれぞれヘミンおよびメナジオン含有Tryptic Soy Broth(TSB)に懸濁し、唾液処理を施したチャンバースライド上に播種後、嫌気的条件下で24時間培養し、バイオフィルムを形成した。その後、上清を除去し、①PBS、1/64、1/8、1/4の濃度に希釈したヘミンおよびメナジオン含有TSB、ヘミンおよびメナジオン含有TSB、またはメナジオン含有TSBを添加し37℃嫌気的条件下にて、②ヘミンおよびメナジオン含有TSBまたはPBSを添加し4℃嫌気的条件下にて、③ヘミンおよびメナジオン含有TSBまたはPBSを添加し38℃嫌気的条件下にて、④ヘミンおよびメナジオン含有TSBまたPBSを添加し37℃好気的条件下にて、それぞれ30分培養後、残存バイオフィルムの吸光度測定を行った。また、残存バイオフィルムを回収し、バイオフィルム形成細菌の細菌構成をメタゲノム解析により検索するため、PowerSoil DNA Isolation Kitを用いて細菌DNAを抽出後、-20°Cで凍結保存した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
家族の看病で実験を行えない期間があったため、期限を一年延長し、解析を続ける予定である。
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今後の研究の推進方策 |
臨床試料の採取を継続し、バイオフィルムの能動的脱離を誘導する環境因子および制御因子の検索を行うとともに、メタゲノム解析により、能動的脱離が誘導されやすいバイオフィルムの細菌構成および脱離しやすい細菌の検索を実施する予定である。
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