研究課題/領域番号 |
20K09976
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
武田 克浩 広島大学, 病院(歯), 講師 (10452591)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 脳由来神経栄養因子 / マクロファージ / 能由来神経栄養因子 |
研究開始時の研究の概要 |
マクロファージは周囲の細胞と相互作用しながら恒常性の維持を担うことから、マクロファージ-歯髄細胞の細胞連携の破綻による過剰な炎症応答が歯髄炎の病態の一因となり、この相互作用を制御することが歯髄再生と修復象牙質形成の双方に有用であると考えた。本研究は、脳由来神経栄養因子(BDNF)を用いた新規歯髄覆髄材の開発を目指して、歯髄細胞-マクロファージの細胞連携という観点から、BDNFの炎症制御能、修復象牙質形成誘導能を検討することとした。
|
研究成果の概要 |
脳由来神経栄養因子(BDNF)はマクロファージの貪食能を亢進させることで創傷治癒の初期に起炎物質の排除を促進し、さらに過度の炎症性サイトカイン発現を抑制することで歯髄炎を鎮静化し、修復象牙質形成促進に寄与する可能性が伺えた。また、その炎症制御・修復象牙質形成には歯髄細胞-マクロファージの細胞連携が関与していることも示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、露出した歯髄に対し、水酸化カルシウム製剤を用いて修復象牙質を誘導させる覆髄処置が一般的に行われているが、選択毒性が低く歯髄組織そのものを傷害する問題点が指摘されている。歯髄・象牙質複合体の再生に関連する研究では、より効果的な水酸化カルシウム製剤の検討が主流であり、細胞機能制御による歯髄象牙質複合体の再生に関する研究は黎明期にある。本研究は歯髄における炎症制御と修復象牙質形成の誘導を両立する分子としてBDNFに着目する唯一の研究である。本研究結果から、BDNFが歯髄細胞-マクロファージの細胞連携の制御因子である可能性が示され、より効率的かつ生体安全性の高い新規歯髄覆髄材の開発につながる。
|