研究課題/領域番号 |
20K09977
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山田 志津香 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (00363458)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ゲニピン / ナノバブル水 / 歯根象牙質 / コラーゲン架橋 / コラゲナーゼ抵抗性 / 変色作用 / 象牙質 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノバブル水とゲニピンを融合した物質を歯根象牙質改質剤として、ウシの切歯の歯根象牙質に作用させ、コラゲナーゼに対する歯根象牙質の抵抗性、機械的強度の増加ならびに骨芽細胞の正常な生育を実証し、新規の歯根象牙質改質剤としての安全性および有効性を証明するとともに、生化学的手法によりその作用機序に関連する新規の知見を得る。
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研究実績の概要 |
臨床の場において、根管治療後に歯根破折に至り抜歯せざるを得ない状況に陥る事態に遭遇することがある。しかし齲蝕や補綴的要求によりやむを得ず無髄歯になった場合、歯根破折を防止するために歯根象牙質の機械的強度を向上させることが歯の延命につながる。蒸留水を用いてナノバブル発生装置により製造されたナノバブル水(NB)は象牙質の機械的強度を弱めることなく、スメア層を除去する効果がある上に、象牙細管内に薬剤を導入する作用があることが報告されている。また、クチナシ属の果実の抽出物にみられるゲニポシドのアグリコンであるゲニピン(GE)は急性毒性が低い上にコラーゲン、キトサン、ゼラチン等に対する天然の架橋剤として研究分野で多用されている。これまでのウシ切歯を用いた実験では、GE+NBを根管に作用させたグループにおいてコラゲナーゼに対する抵抗性が高かったことから歯根象牙質改質剤としての有用性が示唆された。しかし、GEはタンパク質中のアミノ基と酸化・重合して青色の高分子を作ることから、歯根に変色をもたらすため、審美的に問題のない範囲で至適濃度を考慮する必要がある。今回、NBに総濃度0.01%、0.1%、0.5%のGEを混和させた溶液をウシ切歯の根管に作用させ、その変色について、VITA Easyshade Advance(白水貿易株式会社)という測色器を用いて、変色度をデジタルシェードテーキングで検討した。その結果、コントロール群(蒸留水とNB)ではビタシェードB3からC3を示したが、0.1%や0.5%GEを含むグループではC3、C4のものがほとんどであった。一方、0.01%GE+水群では、A1からA4、0.01%GE+NB群ではA3からA4と0.1%や0.5%GE群よりも明度が高い傾向を示した。このことから臨床上使用するには0.01%GE+NB群が有用である可能性が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者の手首の整形外科的疾患が長引いたことにより実験の延期を余儀なくされてしまった時期があったため。
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今後の研究の推進方策 |
健康に留意しながら、ゲニピンやナノバブル水の安全性試験および細胞形態観察を迅速に進める。
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