研究課題/領域番号 |
20K09982
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
尾崎 友輝 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (10802902)
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研究分担者 |
吉成 伸夫 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20231699)
中村 卓 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (50756393)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 歯周病 / 老化 / SASP / 慢性炎症 / interleukin / senolytics / 老化制御 / 老化細胞除去療法 / 加齢 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、歯周組織再生療法にはエムドゲインやFGF-2などの増殖因子が臨床応用されているが、抗炎症作用や骨形成を促進させる因子の開発は十分ではない。歯周組織の再生には、加齢に伴う慢性炎症の抑制および歯槽骨形成を促進する因子の応用が必要である。 申請者は、W9ペプチドをOPG-/-マウスに投与し、その歯槽骨を詳細に解析した。その結果、W9は歯槽骨吸収を抑制するとともに歯槽骨形成を促進することを発見した。 本申請課題では、老化させた実験的歯周病モデルにおいて、老化細胞の影響を除去することにより、歯槽骨の吸収抑制と歯槽骨形成作用が増強できるかということを検討する。
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研究成果の概要 |
(1)加齢により歯槽骨吸収が亢進する機序を解明すること,(2)老化細胞除去療法または老化細胞が産生するSASPを抑制することにより,歯周病と老化の関連性を解明すること及び新規治療法を確立することを目的とした. 絹糸結紮による実験的歯周炎を誘導した18ヵ月齢の老化C57BL/6マウスに対して,4ヵ月間老化細胞除去薬を経口投与し,歯周炎及び老化状態が改善するかどうかを検討した. 対照マウスと比較して,老化細胞除去薬を投与したマウスは歯槽骨吸収が抑制された.また,歯周組織と血清中にいくつかのSASPタンパク質発現を減少させた.以上より,老化細胞除去薬の投与は歯周炎の改善に有効であることが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病治療における再生療法では,多数の薬剤が臨床応用されているが,抗炎症作用や骨形成を促進させる因子の開発は十分ではない.加齢により蓄積した老化細胞は種々の炎症性サイトカインを含むSASPを産生し,その結果骨量の減少をきたすことから,歯周病は加齢性疾患であることも明らかである.近年,加齢性疾患に対する治療として老化細胞除去療法が検討されているが,歯周病に対する有効性を示す報告はまだない. 本研究結果は,実験的歯周炎を誘導した高齢マウスに対する老化細胞除去薬の有効性を証明した.本研究結果のさらなる発展により,超高齢社会である我が国において,加齢性疾患の新規の治療法の確立に寄与できると考えられる.
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