研究課題/領域番号 |
20K09986
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
米田 雅裕 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10253460)
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研究分担者 |
廣藤 卓雄 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10189897)
谷口 奈央 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (60372885)
瀬野 恵衣 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (60780426)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 希少糖 / 口臭 / メイラード反応 |
研究開始時の研究の概要 |
口臭はタンパク質を細菌のプロテアーゼが分解し、揮発性硫黄化合物(VSCs)が産生されることで発生する。口臭を減らすためには、歯周病原性細菌を減らす、プロテアーゼ活性を抑制する、産生されたVSCsを消去することが有効である。今回われわれは身体への為害性がなく、さらに効果的な口臭コントロール法を2つの方法で実現させる。1つ目は乳酸菌タブレットにメイラード化した希少糖を添加してVSCsを消去することであり、2つ目はさらにラクトフェリンを添加して歯周病原性細菌およびプロテアーゼ活性を抑制することである。
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研究実績の概要 |
口臭の主な原因は歯周病原性細菌等が産生する揮発性有機化合物(VSCs)である。われわれは乳酸菌プロバイオティクスを応用した身体に無害で継続的に利用可能な口臭抑制法を報告してきた。しかし、この方法は口腔細菌叢の改善に期待するためVSCs減少効果の発現まで一定の時間がかかり、早期に口臭を減らしたいという患者の希望に応えにくい。そこで今回、より即効性のあるVSCs減少方法を検討した。 アミノカルボニル反応(メイラード反応)生成物は食品加工中に発生する硫化水素を消去することが知られている。そこで、Porphyromonas gingivalis菌体抽出物にメイラード反応生成物であるメイプルシュガーを添加したところ、試験管head space中の硫化水素濃度が有意に減少した。次に、グルコースの70%の甘みを有しながら齲蝕原性細菌が利用できない希少糖アルロースのメイラード反応生成物(メイラード化アルロース)によるVSCs減少効果を調べた。メイラード化アルロースはP. gingivalis由来の硫化水素および一硫化水素ナトリウム水溶液由来の硫化水素を減少させた。メイラード化アルロースと硫化水素を混合して固相マイクロ抽出法/ガスクロマトグラフィー質量分析を行ったところ、硫化水素、メイラード化アルロースどちらにも見られない新たなピーク(カフェイン類似物質)が生成された。メイラード化アルロースの成分が硫化水素と結合することにより新たな物質が生成され、硫化水素の揮発性が減少したと推察される。 以上の結果から、メイラード化アルロースは齲蝕誘発性がなく即効的にVSCs減少をさせる食品としての応用が可能だと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
英語論文採択され、現在追加の実験を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
メイラード化希少糖による硫化水素減少のメカニズムを各種カラムを用いて解明する。
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