研究課題/領域番号 |
20K10002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
松本 直行 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20386080)
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研究分担者 |
斎藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
中山 亮子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (50749843)
尾曲 大輔 鶴見大学, 歯学部, 助教 (10608699)
山崎 智恵 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (80817122)
井上 裕子 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (50367306)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 脂肪由来幹細胞 / 口腔乾燥症 / 再生医療 / 唾液腺 / 組織傷害 / 間質血管細胞群 / 脂肪幹細胞 / 再生 |
研究開始時の研究の概要 |
唾液分泌の減少は味覚の異常、虫歯や歯周病などの口の中の症状だけでなく、高齢者の誤嚥性肺炎や低栄養の増加に繋がるため社会問題となっている。 現在、口腔乾燥症の患者数は約80万人いるが、今後さらに増加すると考えられている事から、治療方法の確立が重要な課題となっている。口腔乾燥症の患者は人工唾液で症状を和らげているが、唾液腺(唾液を作る組織)が萎縮しているため根本的な治療方法の開発が望まれている。 この研究は脂肪組織から得られた幹細胞を唾液腺に移植し、唾液腺組織の修復と機能回復のメカニズムを解明する事を目的にしている。
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研究成果の概要 |
ジフテリアトキシン受容体(hHB-EGF)を唾液腺だけに発現させた遺伝子改変マウス(MUC7p-TRECK)を作出し、ジフテリアトキシン投与による唾液腺特異的な組織傷害および唾液分泌量低下の程度の評価と、脂肪由来幹細胞移植による唾液腺組織再生の機序を検討した。 遺伝子改変マウスへのジフテリアトキシン投与により唾液腺特異的にアポトーシスが生じ、唾液分泌量の低下が確認された。また、遺伝子改変マウスと同系統であるC57BL/6マウスから間質血管細胞群(脂肪由来幹細胞を豊富に含む細胞群)を単離した。その過程で間質血管細胞群は継代培養を進めるに伴い高度の細胞老化が生じる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の主な唾液腺組織傷害モデルマウスは自己免疫疾患を発症し全身の様々な臓器・組織傷害が生じるため、唾液腺組織の傷害、修復・再生を詳細に検討するためには、唾液腺特異的な細胞・組織傷害モデルが求められていた。本研究で作出された遺伝子改変マウスは唾液腺特異的にアポトーシスによる細胞死が誘導されることが確認され、有用な唾液腺組織傷害や修復・再生のモデル動物になり得ると期待される。また脂肪幹細胞による唾液腺再生医療を実現するため、マウス鼠径部由来の脂肪幹細胞を多く含む細胞群を培養したところ、その初期に細胞老化が生じることが示唆され、細胞老化の制御により良好な脂肪幹細胞移植が達成できると示唆された。
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