研究課題/領域番号 |
20K10013
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
|
研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
會田 英紀 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (10301011)
|
研究分担者 |
河野 舞 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (90586926)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 歯学 / 生体材料 / 歯周組織再生 / 自家歯牙片 / インプラント / 歯科 / 軟組織再生 / 自家歯牙移植 |
研究開始時の研究の概要 |
インプラント治療の前に抜歯を行うと抜歯部位の歯槽骨辺縁には骨吸収が起こるため、インプラント周囲組織の形態が経時的に変化することは避けられない。特に上顎前歯部などの審美領域では、インプラント頸部の骨吸収にともなう軟組織の退縮が審美障害につながるため、インプラント治療に対する患者の満足度を大きく下げる一因となっている。しかしながら、生体材料単独ではインプラント周囲組織の再生と形態の維持は困難である。本研究の遂行により、自家歯牙片とチタンインプラントを併用したハイブリッド歯周組織再生療法の有効性に関する基礎データが得られ、審美インプラント治療の予知性を大いに高めることが期待できる。
|
研究実績の概要 |
インプラント治療の前に抜歯を行うと抜歯部位の歯槽骨辺縁には骨吸収が起こるため、インプラント周囲組織の形態が経時的に変化することは避けられない。特に上顎前歯部などの審美領域では、インプラント頸部の骨吸収にともなう軟組織の退縮が審美障害につながるため、インプラント治療に対する患者の満足度を大きく下げる一因になりかねない。しかしながら、生体材料単独ではインプラント周囲組織の再生と形態の維持は困難である。本研究の目的は、上顎前歯部などの審美領域における自家歯牙片とチタンインプラントを併用したハイブリッド歯周組織再生療法の有効性を調べることである。 初年度にラット乾燥頭蓋ならびに他の研究プロジェクトに用いたラット大腿骨モデルで不要となったラット下顎骨を用いて実験用インプラントの設計ならびにインプラント埋入窩形成に用いる特注ドリルの検証まで行った。さらに、プロジェクト2年目ではラット下顎切歯の抜歯窩に実験用インプラントを実際に即時埋入し、オッセオインテグレーション獲得に成功した。最終年度は、自家歯牙片とチタンインプラントの同時埋入を試みたが、齧歯類の切歯は常生歯であること、固形飼料を切歯で齧る習性があることから、抜歯窩に埋入した自家歯牙片とインプラント体の初期固定を維持することが困難であり、埋入後初期に多くの自家歯牙片やインプラント体あるいはその両者が脱落するという問題が発生した。そのため、実験用インプラントの再設計等の研究デザインの見直しが必要となり補助事業期間の延長申請をするに至った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度にラット乾燥頭蓋等を用いた唇側骨欠損モデルの検証、試作スクリュー型純チタンインプラントならびに特注ドリルの準備まで完了していた。さらに、プロジェクト2年目ではラット下顎切歯部に実験用インプラントの抜歯即時埋入を実際に行い、オッセオインテグレーション獲得に成功した。最終年度は、自家歯牙片とチタンインプラントの同時埋入を試みたが、齧歯類の切歯は常生歯であること、固形飼料を切歯で齧る習性があることから、抜歯窩に埋入した自家歯牙片とインプラント体の初期固定を維持することが困難であり、埋入後初期に多くの自家歯牙片やインプラント体あるいはその両者が脱落するという問題が発生した。そのため、実験用インプラントの再設計等の研究デザインの見直しが必要となり補助事業期間の延長申請をするに至った。また、昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染拡大の影響により、研究活動に大きな制約を受けたことも進捗の遅れにつながってしまった。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度、自家歯牙片とチタンインプラントの同時埋入を試みたが、抜歯窩に埋入した自家歯牙片とインプラント体の初期固定を維持することが困難であり、埋入後初期に多くの自家歯牙片やインプラント体あるいはその両者が脱落するという問題が発生した。そのため、術式の改良に伴い実験用インプラントの形状、特注ドリル、インプラント埋入時期(ラットの週齢)等に変更が必要となったため、オッセオインテグレーションの獲得がさらに安定して得られるように早急に実験プロトコールを整備していく。その後、下顎切歯部唇側骨欠損モデルを準備した上で、プロジェクト全体の進捗遅れを取り戻すために予定していたバイオメカニカル試験、組織計量学的評価を順次行っていく。
|