研究課題/領域番号 |
20K10015
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
武本 真治 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (70366178)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | インプラント周囲炎 / チタン / 酸化化学反応 / 電気化学反応 / 表面分析 / 軟組織適合性 / 酸化反応 / 化学修飾 / インプラント周囲 / 接着 / ボンディング / 化学的修飾 / 表面処理 / 上皮付着 / 薬剤徐放 |
研究開始時の研究の概要 |
歯科用インプラントは、口腔内に暴露される部位、軟組織と接着している部位および骨に埋入されている部位がある。インプラントを埋入後、長期に渡ってインプラントの機能維持には、軟組織とインプラントとの接合部位の強化が重要である。本研究では、生体親和性(特に骨との親和性)に優れるチタンやジルコニアの表面処理を行い、軟組織である上皮組織との接合強化を図ることで、さらなる歯科用インプラントの長期に渡る機能を発揮させることを目的としている。
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研究実績の概要 |
歯科インプラント治療は、インプラント顎骨に埋入後、咬合機能をできるまでには骨にインプラント体が固定される必要がある。その固定としてオッセオインテグレーションを早期に実現するための手法が数多く検討されてきた。一方で、機能しているインプラント体の周囲では骨ばかりでなく上皮組織と強固の接着を行うことで細菌感染によるダウングロースを予防する必要がある。本研究では生物学的封鎖を試みるための方法を検討し、最終的に組織適合性に優れるインプラント体の開発を目指している。 本研究では、骨形成の促進と骨吸収の抑制、上皮組織との接着改善を目的としたスタチン系薬剤として水溶性のフルバスタチンをチタン表面に固定する方法の検討を進めていた。昨年度の過酸化水素と水酸化ナトリウムで処理したチタン及びチタン合金表面の分析を行った。そのゼラチン/スタチン複合体を固定する前の表面化学状態をX線回折、X線光電子分光分析(XPS)および電子線マイクロアナライザーで分析した。特にXPS分析した結果、処理時間が短時間では複合体を固定するための水酸基の増加は認められなかったが、3時間以降に水酸基の増加が認められた。したがってこれまで1日要していた処理時間が最短で3時間での処理によってゼラチン/スタチン複合体を固定するために必要な水酸基を形成させることができることが明らかになった。この事実に基づいて、スタチン系薬剤の徐放と動物実験を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
チタンの表面処理の条件は整っていたが、思いのほか短時間での処理によって期待できる成果が得られることが明らかになったため条件の見直しを余儀なくされた。また、2022年前半までCOVID-19の影響で装置の使用にも規制が掛かったため研究遂行が遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
現在表面分析まで終わっているが動物に埋入するためのインプラント体モデルの設計の見直しを行っている。早期に埋入して動物実験での効果を確認する予定である。
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