研究課題/領域番号 |
20K10020
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
辻村 麻衣子 (羽下麻衣子) 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (60535219)
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研究分担者 |
中原 賢 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (20610257)
今井 あかね 日本歯科大学新潟短期大学, その他部局等, 教授 (60180080)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 歯科インプラント / 抜歯 / 味覚 / 有郭乳頭 / 味蕾 |
研究開始時の研究の概要 |
味覚に関わる組織は、抜歯・インプラント埋入のような歯科治療の影響を受ける可能性がある。インプラント埋入の前にも行われることが多い抜歯やインプラント埋入に伴う味覚変化の情報は、インプラント治療の予後を考える上で重要である。しかしながら、このような歯科治療による味覚変化のメカニズムには不明な点が多い。 本研究では、組織学的手法や生化学的手法などを用いて、抜歯やインプラント埋入における味覚変化メカニズムの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
抜歯やインプラント埋入による味覚変化についての情報は、インプラント治療の予後を考えるうえで重要である。本研究では、抜歯後の味覚変化を明らかにするため、上顎臼歯を抜去したラット(抜歯群)と抜歯せずに全身麻酔薬とその拮抗薬の投与のみを行ったコントロールのラット(非抜歯群)を用いて実験を進めている。これまで有郭乳頭を含む舌の一部に対して、iTRAQ試薬を用いたタンパク質発現・相対定量解析、浸漬固定後に作製した凍結切片での免疫組織化学などを試みてきた。抜歯により味蕾が変化するとの報告があることから、味蕾に存在する味細胞も抜歯で変化することが予想されるが、これまでの実験では味細胞の変化の有無を明らかにできていない。そこで本年度は、味覚を受容する味蕾の味細胞の変化に着目し、以下のような実験を行った。 まず、抜歯群と非抜歯群の両群を灌流固定し、有郭乳頭を含む舌の一部を採取した。採取した試料をパラフィン包埋し、薄切した。作製したパラフィン切片に対して、味蕾のⅢ型細胞のマーカーとされているneural cell adhesion molecule(NCAM)に対する免疫染色などを行った。実験は現在進行中である。また、何の処置もしていない(未処置の)ラットを灌流固定し、有郭乳頭を含む舌の一部を採取した後、作製した凍結切片に味細胞のマーカーとされているNCAM、gustducin、vesicle-associated membrane protein 2などの抗体を用いて、蛍光抗体法による多重染色を行っている。未処置のラットに対する蛍光多重免疫染色を継続することで、味蕾に存在する味細胞の特徴を明らかにし、本研究の考察を深めたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抜歯後の味覚変化を明らかにするために、本年度はラットの有郭乳頭を用いた免疫染色を行った。しかし、研究遂行に想定以上に時間を要し、新型コロナウイルス感染症の影響で生じた遅れを取り戻すことができなかった。本年度で研究を終わらせることができず、研究の期間を延長することとなったため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も免疫組織化学により抜歯群と非抜歯群の味蕾を比較することで、抜歯による味蕾の変化の有無を明らかにする予定である。さらに、その結果を踏まえて、生化学的解析を行いたい。具体的には、味細胞のマーカーに関する解析やiTRAQ試薬を用いた網羅的なタンパク質の同定と比較定量において、抜歯群と非抜歯群で差が認められたタンパク質に関する解析を加えたいと考えている。また、未処置のラットを用いた味蕾の実験については、その成果を論文としてまとめたいと考えている。 これまで同様、研究計画は随時見直し、修正を加えながら進めていく。実験は研究代表者と研究分担者が行い、研究代表者の所属講座の教員や大学院生にも協力してもらう予定である。
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