研究課題/領域番号 |
20K10026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山本 悟 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (10344524)
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研究分担者 |
横山 敦郎 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (20210627)
小松原 浩実 北海道大学, 大学病院, 助教 (50221247)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | デンタルインプラント / カーボンナノホーン / 抜歯即時埋入 / 早期荷重負荷 / 早期咬合負荷 / チタンインプラント |
研究開始時の研究の概要 |
インプラント治療において、治療期間を短縮し早期に機能回復を得ることは患者にとって有益なことであるが、早期荷重にはオッセオインテグレーションの早期獲得が必須であり、インプラント周囲の骨組織の反応も重要であるが不明な点が多い。 本研究は、骨組織と適合性が高く骨形成に効果的なCNHsをコーティングしたインプラントが、早期荷重を負荷した場合にオッセオインテグレーションの早期獲得に有効であるか、またその際にインプラント周囲の骨組織にどのような反応が生じているかという2点を明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
インプラント治療は欠損補綴治療の選択肢の一つとなっており、治療期間を短縮し早期に機能回復を図ることは患者にとって有益なことである。抜歯即時埋入、即時ならびに早期荷重が臨床で行われているが、早期荷重にはオッセオインテグレーションの早期獲得が必須であり、インプラント周囲の骨組織の反応も重要であるが不明な点が多い。本研究は、骨組織と適合性が高く骨形成に効果的なカーボンナノホーンをコーティングしたインプラントが、早期荷重を負荷した場合にオッセオインテグレーションの早期獲得に有効であるか、またその際にインプラント周囲の骨組織にどのような反応が生じているかという2点を明らかにすることである。 令和3年度に引き続き動物実験を行い、令和4年度は特に埋入したチタンインプラントに早期荷重を与える実験を行った。4週齢雄性ウィスター系ラットの上顎左側第一臼歯をイソフルランを用いた全身麻酔下で抜歯し、1週間の治癒期間を経た後、抜歯窩にカーボンナノホーンコーティングチタンインプラントを埋入、1週間後にインプラント体上部に接着性レジンを添加し咬合負荷を与えたものを実験群とした。また、カーボンナノホーンを表面修飾していないチタンインプラントに接着性レジン添加による咬合負荷を与えたものをコントロール群とした。咬合負荷2週間後に実験動物を安楽死させ上顎骨を採取し、組織標本製を製作後、病理組織化学的検索を行った。 病理組織学的検索において、コントロール群および実験群ともにインプラント体スクリューのスレッド間には新生骨が認められ、インプラント体表面の多くの箇所で直接的に接していた。実験群においては、対照群と比較して骨梁の幅は大きい傾向を示し、インプラントの長軸方向に平行に走行する傾向がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究課題の進捗が遅れている理由は、以下の2つが挙げられる。一つ目は、インプラント体埋入1週間後に接着性レジンによる咬合負荷を与えたインプラント体が脱落した事例が実験群、コントロール群のどちらの群においても半数以上認められた。このため、コントロール群および実験群共に十分な匹数を揃える事ができなかった事があげられる。二つ目は、動物実験期間中に申請者が新型コロナウィルスに感染したため、実験プロトコールを中止せざるを得なくなった事、またその後も動物実験を担当する共同研究者が新型コロナウィルスの濃厚接触者となり、動物実験が約2か月できない状態となったため進捗が遅れる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の研究計画では、カーボンナノホーンコーティングチタンインプラントの埋入後の早期荷重負荷実験であったが、研究の進捗が遅れているため、令和5年度は研究期間を延長し残りの動物実験を行い、最終年度としてまとめを行う。前半は動物実験による抜歯およびカーボンナノホーンコーティングチタンインプラントの埋入、早期荷重負荷実験を行い、実験群およびコントロール群の匹数を増やす。後半は脱灰組織標本を製作し、病理組織学検索、組織計量学的検索を行い研究の総括、まとめを行う。
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