研究課題/領域番号 |
20K10036
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
河野 文昭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (60195120)
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研究分担者 |
関根 一光 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (50447182)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 通電剥離型セメント / イオン液体 / 口腔内環境 / イオンの溶出 / サーマルサイクル / 生理食塩水 / イオン溶液 / スマートセメント / グラスアイオノマーセメント / せん断接着試験 / 低減率 / 通電 / 歯科用セメント / サーマルサイクル試験 / 耐久性 / レジン添加型グラスアイオノマーセメント / セメント固定式インプラント / 押し出し試験 / チタン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の課題は、必要に応じて補綴装置を破壊せずに簡単に除去できるセメントを開発することである。これまでにイオン液体(室温で液体であるイオン結合性物質)を添加したレジン添加型グラスアイオノマーセメントの接着強さが通電により約10%まで低下しうることを見出している。補綴装置を取り外しできることは、患者の歯周組織の保全、補綴装置の除去による様々なトラブルの回避につながるため、このセメントは種々の固定制補綴装置への応用が可能と考えられる。本研究ではセメント固定式インプラントの合着に焦点をあて、その有効性を評価し、現在、開発中のスマートセメントの接着強さと耐久性の向上を図る。
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研究成果の概要 |
インプラントのセメント固定式上部構造に応用する簡単に取り外しができる通電剥離型セメントの開発を行っている。本研究課題では、口腔内環境下での本セメントの接着強さ低下効果の変化について検討を加えた。その結果、サーマルサイクル試験では、2500回では通電後の接着強さは有意に増加し、10000回では低下効果が見られなくなることが明らかになった。また、生理食塩水浸漬試験では、通電による接着強さの低下効果が大きくなることが示された。試作セメントに添加したイオン溶液のイオンの溶出の抑制とセメント内へのイオンの取り込みが通電型剥離セメントの通電による接着強さの低下効果の持続に影響を与えていることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
開発を進めている通電剥離型セメントは、セメント基材にイオン液体を練和することで電流を流すことにより、セメント本体が破壊され、剥離効果が得られるように設計されている。基材として用いたレジン添加型グラスアイオノマーセメントは、親水性の硬化反応を示すことから、添加したイオンの溶出が懸念され、口腔内の厳しい環境下では剥離効果の維持が課題となる。「蒸留水中では剥離効果の維持される」との報告があるが、より厳しい口腔内環境では添加したイオン溶液の溶出による剥離効果の減少が認められたが、限られた期間の利用であれば、剥離効果が維持できることが分かり、テンポラリーセメントとして利用可能であることが示された。
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