研究課題/領域番号 |
20K10039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
田中 謙光 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00610049)
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研究分担者 |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
石井 正和 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00456683)
宮崎 敏樹 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (20324973)
末廣 史雄 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (40524781)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | バイオミメティクス法 / 間葉系幹細胞 / 骨再生 / 骨補填材 / 析出型アパタイト / 骨増生 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らの研究チームは、ヒトの血漿とほぼ等しい無機イオン濃度を持った疑似体液中で材料表面にアパタイトを析出させるバイオミメティクス法を用いて、炭酸アパタイト上に種々の無機イオンアパタイトをコーティングした新たな骨補填材の開発研究を行っている。また、骨髄中に存在する間葉系幹細胞(MSCs)を用いた顎骨再生医療にも取り組み、数多くの報告を行ってきた。 予知性の高い補綴治療には十分な顎堤が必要なため、新規骨補填材とMSCsの複合体を用いることで、具体的には事故や加齢により高度に吸収した顎堤や腫瘍等の切除後の顎骨欠損、唇顎口蓋裂に対する大規模な骨再生を目的とした新規材料/細胞複合体の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
バイオミメティクス法を用いてチタンディスク上に各種イオンを含有したアパタイトを析出させ、サンプルの作製を行った。 前年までの実験の結果から各種イオンの含有比(カルシウム:各種イオン比=80:1)を決定した。本比率でマンガン、コバルト、銅含有アパタイトを析出させたサンプルと、コントロールとしてアパタイトのみを析出させたサンプル、およびアパタイトを析出させていないチタンディスクを用いて実験を行った。 購入したヒト腸骨骨髄由来間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell:MSC)を5000cells/cm2でサンプル上に播種し、10%ウシ胎児血清、1%抗生物質を含有したαMEM培地にて培養した。細胞播種から24時間、48時間、72時間後にWST-1 assayを行い、細胞増殖能の検討を行った。 アパタイトを析出させていないチタンディスクと比較するとマンガン、コバルト、銅いずれのサンプルも細胞増殖能の抑制がみられた。またアパタイトのみを析出させたサンプルと比較するとマンガンのみに細胞増殖能の抑制がみられた。 次いでこれらのサンプル上にMSCを5000cells/cm2で播種し、一週間培養した後に骨分化誘導を行い、石灰化能への影響をALP活性定量およびアリザリンレッド染色にて検討した。パイロットスタディの結果では、各種サンプルとアパタイトを析出させていないチタンディスクおよびアパタイトのみを析出させたサンプルとの間に差はみられなかったが、全体的に骨分化の程度が低かったため、改めて検討が必要と考えられた。 今後も試行回数を増やして各種イオン含有アパタイトの骨分化能への影響を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は九州工業大学との共同研究であり、試験片製作を分担してもらう計画となっているため、一度の実験で行える試行回数に限りがある。また含有イオン量や元素の種類を決定するためのパイロットスタディに回数を要しており、こちらの点からも計画に遅れがみられる。
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今後の研究の推進方策 |
これまで行ってきた検討を継続して各種イオンがMSCの骨分化能に及ぼす影響についての検討を行う。また、これまでの実験はチタン上に各種アパタイトを析出させて検討を行ってきたが、臨床応用の観点から市販されている骨補填材上に各種イオン含有アパタイトを析出させることで骨分化能への影響を検討する。
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