研究課題/領域番号 |
20K10042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
佐藤 義英 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (20287775)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 大脳基底核 / 嚥下 / 嚥下反射 / 上喉頭神経 / 外側網様核 / 巨大細胞網様核 / 嚥下障害 / パーキンソン病 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国は誤嚥性肺炎による高齢者の死者が急増しており、その対策が現在喫緊の重要課題となっている。大脳基底核疾患のパーキンソン病は、高頻度で嚥下障害を伴う。しかし、嚥下障害の発生機序は不明である。そこで本研究は、健常ラットとパーキンソン病モデルラットを用いて、生理・薬理・組織学的手法により、大脳基底核出力部から嚥下中枢までの嚥下関連領域と神経伝達物質を明らかにする。そしてパーキンソン病における嚥下障害の発生機序を解明し症状改善を試みる。
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研究成果の概要 |
上喉頭神経連続電気刺激により誘発した嚥下反射が、外側網様核または巨大細胞網様核の刺激により影響を受けるか検索した。上喉頭神経と外側網様核の同時電気刺激により、嚥下回数は上喉頭神経単独刺激に比べ有意に減少し、嚥下が誘発されるまでの時間は長くなった。外側網様核へのグルタミン酸注入後、嚥下回数は注入前より減少した。 上喉頭神経と巨大細胞網様核の同時電気刺激では、嚥下回数は上喉頭神経単独刺激に比べ有意に減少または増加した。外側網様核へのグルタミン酸注入後、嚥下回数は注入前より増加または減少した。 以上の結果から、外側網様核と巨大細胞網様核は嚥下の制御に関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パーキンソン病は、大脳基底核の黒質緻密部のドーパミン作動性ニューロンの脱落により発症し、嚥下障害を伴うことが多い。嚥下は、延髄にある嚥下の中枢性パターン発生器により制御されている。しかし、大脳基底核から嚥下の中枢性パターン発生器までの運動情報が、脳内のどこを通っているのか不明であった。 本研究により、大脳基底核は赤核と外側網様核または脚橋被蓋核と巨大細胞網様核を経由して嚥下の中枢性パターン発生器を制御していることが示唆された。 これらの神経経路が明らかにされたことで、パーキンソン病における嚥下改善に寄与する可能性がある。
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