研究課題/領域番号 |
20K10050
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
上野 剛史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (30359674)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | チタン / インプラント / 骨芽細胞 / 表面電荷 / リチウムイオン / ゼータ電位 / タンパク吸着 / 生体親和性 |
研究開始時の研究の概要 |
インプラント表面における表面電荷は、生体親和性に影響する重要な物理化学的特性のひとつである。生体内のpHにおいて、チタン表面は負に帯電している一方、細胞接着タンパクや細胞膜も負電荷であることから、両者に電気的な相互作用はない。本研究の目的は、チタンの表面電荷に着目し、これを実験的に変化させ、生物学的活性への影響を明らかにすることである。すでに先行研究において、Liイオンコーティングによって表面電荷を正方向にシフトさせ、これによりタンパク吸着が増加することを報告している。本研究は、技術の実用化のために、チタン表面電荷の細胞レベルでの効果、さらに生体レベルでの効果を評価していく。
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研究成果の概要 |
インプラント表面と細胞の関係において、表面電荷が重要なファクターであるという考え方は従来よりあったものの、これを制御することは困難であり、関連する研究も少ない。本研究では、チタンインプラントの表面電荷を実験的に制御し、細胞接着タンパクや骨芽細胞との親和性を評価した。表面電荷の制御には、チタン表面にリチウムイオンの取り込みを試みた。その結果、チタン表面の電荷が正方向に変位したことが確認され、細胞接着タンパク量や骨芽細胞の接着数がリチウム処理したチタン表面で増加した。この結果は、表面電荷の制御がインプラントの生体親和性に大きく寄与することを示唆した
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
チタンは元々生体親和性の高い材料であることが知られているが、実際の骨-チタン接触率は、長期の治癒時間 を待っても30-60%程度であることが報告されており、この生体の反応に幅があることについての要因を提示し た研究は少ない。本研究はまずチタンの生体親和性を向上させる新しい方法を提案した。本研究の方法は、従来からある技術を応用したものであり、その有用性は高いと考えられる。得られた結果は、インプラント表面の性能を、現状よりも向上させられる可能性があることを示唆しており、今後他の物理化学的因子を検討することで、表面処理方法の最適化への発展に寄与できると考えられる。
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