研究課題/領域番号 |
20K10057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
浅野 正岳 日本大学, 歯学部, 教授 (10231896)
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研究分担者 |
西尾 健介 日本大学, 歯学部, 助教 (50780558)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 電解酸性機能水 / 含嗽剤 / 殺菌効果 / interleukin-1 alpha / propiece IL-1 alpha / IL-1 receptor / alarmin / 酸性電解機能水 / IL-1 alpha / AIF-1 / interleukin-1α / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの研究で、高齢者で入れ歯などを使っている患者さんに、電解酸性機能水という食塩水を電気分解することにより得られる水によってうがいをしてもらいアンケートを行った。その結果、「口の中が爽快になった」など、臨床的に有用と思われる効果があることが推測された。そこで免疫力向上に貢献するsecretory IgAという物質の唾液中の濃度を測定したところ、その濃度が上昇していることが解った。こうしたことから本研究では、どうしてsIgAの濃度が上がるのか、その作用メカニズムの解明を目指して研究することにした。
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研究成果の概要 |
電解酸性機能水(FW)は、食塩水を電気分解して得られる水で、極めて高い殺菌効果を有している。物理的な口腔清掃の困難な超高齢者に対する含嗽剤としての実用化を目指し、市販の含嗽剤との殺菌効果の比較を行った。その結果、FWは他の含嗽剤と比較して遜色ない殺菌効果を示し、さらに、安全性にも優れていることが実証された。また、口腔癌由来の培養細胞を用いた実験から、FWが炎症性サイトカインの一種であるinterleukin-1 alpha (IL-1a)の細胞外放出を促すことが明らかとなっている。炎症性疾患のコントロールにおいて、IL-1aの分泌調節は極めて重要であることから、この分子機構についても検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生理機能の低下などにより、歯ブラシなどの物理的口腔清掃が困難な超高齢者は、誤嚥性肺炎などを発症するリスクが高い。本研究で用いた電解酸性機能水(FW)は、極めて高い殺菌効果を有することが明らかとなった。FWは、食塩水の電気分解で得られる水で、安価なうえに安全性にも優れている。FWを超高齢者の口腔清掃に応用できれば、健康寿命の延伸にも寄与するものと考えられる。こうした取り組みは、超高齢社会の到来とともに危惧される社会保障費の抑制にもつながる可能性があり、社会的に極めて意義深いものと考える。
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