研究課題/領域番号 |
20K10061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
森本 佳成 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (00264870)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 認知症 / 高齢者 / 静脈内鎮静法 / 歯科治療 / 脳波 / 全身麻酔 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、重度認知症高齢者の歯科診療における静脈内鎮静法において、各鎮静 薬を用いた場合の脳波および脳組織酸素飽和度・脳酸素化Hbの変化を測定するとともに、鎮静前後の認知機能や嚥下機能の変化を薬剤別に比較し、さらに各項目について認知症のない高齢者と比較を行う。また、低栄養や筋肉量減少(sarcopenia)による術後認知機能障害のリスクを評価するために、体組成分析(フレイルの評価)や血液中の栄養指標を測定し、鎮静後の認知機能や嚥下機能低下の発症リスクを評価することにより、重度の認知症高齢者に適した静脈内鎮静法を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、認知症高齢者に対するミダゾラム投与により、脳波成分および振幅がどのように変化するか、健常者と比較することである。本研究は、神奈川歯科大学研究倫理審査委員会の承認を受けて行われている。 本年度までに、認知症高齢者14名に対し脳波計MWM20(株式会社ジー・エム・エス)を用い、自動解析にてδ波・θ波・α波・β波を測定し、また総振幅と総振幅に対する各脳波の振幅の比率を計算した。一方、非認知症高齢者9名の測定値と比較した。 ここまでの結果は、ミダゾラム投与前においては、認知症高齢者では非認知症高齢者に比べて、δ波(徐波)の比率が高く、速波(α波・β波)の比率が少なかった。ミダゾラム投与により、認知症高齢者ではβ波(速波)の増加を認めた。非認知症高齢者では、ミダゾラム投与によりδ波(徐波)の大幅な減少とα波(速波)の著明な増加を認めた。以上より、ミダゾラム投与により、認知症高齢者ではβ波(速波)の比率が増加するが、非認知症高齢者ではα波(速波)の比率が増加した。ミダゾラム投与により、認知症高齢者の脳波の振幅およびθ波(徐波)は低下したが、非認知症高齢者では変化はなかった。以上より、ミダゾラムを用いた静脈内鎮静管理では、認知症高齢者と非認知症高齢者では、脳波の変化パターンに相違がみられた。一方、次の段階であるプロポフォールによる脳波変化についてもデータ収集を開始し、本年度は2名を組み入れた。次年度は、ケースコントロールされた症例数(各群14名)まで非認知症群のミダゾラム投与のデータを採集し、同時にプロポフォールの症例も増加させる。また、学会発表と論文作成を並行して行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度~2022年度までのCOVID-19蔓延時期に重度認知症高齢者の受診が大幅に滞っていたため、合計で今年度の予定症例数までは到達しなかった。ケースコントロールにて、各群14名ずつを必要とするが、認知症高齢者では順調に進行したが、非認知症高齢者は患者数が少なく遅れている。また、重度認知症群のミダゾラム投与については症例数が予定に到達したため、次の段階であるプロポフォールを使用する症例を開始したが、現状はまだ少ない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度からは、COVID-19蔓延期以前に近いペースで、重度認知症高齢者が受診されているため、引き続きデータの収集に努める。特に本年度は、非認知症高齢者の例数を増加させ、予定数に到達させる。同時にできるだけ、プロポフォールの症例も増加させてゆく。同時に、学会発表と論文作成を並行して行ってゆく。
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