研究課題/領域番号 |
20K10063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
重本 修伺 鶴見大学, 歯学部, 講師 (20294704)
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研究分担者 |
重田 優子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (40367298)
平林 里大 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40514394)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 歯科用CAD/CAM / 顎運動 / 咬合可視化 / 補綴診療プロトコール / Digital dentistry / 三次元形態 / 歯科用CADCAM |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは顎口腔系の機能情報を活用した補綴装置の設計・製作を可能とする歯科用CAD/CAMシステムの開発を進めている.このシステムは,顎運動測定技術,三次元形状測定技術,および形状と顎運動情報の統合技術から構成されるが,基本的な部分はほぼ完成し,補綴臨床に有効であることが確認できている.しかし,コンピュータ支援による歯科診療(Digital dentistry)の普及に伴い,比較的簡単に得られる膨大なデジタル情報をいかに有効活用するかが課題となる.これまでの研究成果を発展させ形態情報だけでなく機能情報も活用する次世代Digital dentistryのための補綴診療プロトコールの確立を目指す.
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研究実績の概要 |
1.患者の機能情報と形態情報の収集と解析 本年度は、鶴見大学歯学部附属病院補綴科を受診した患者39名を被験者として確保し、延べ40回の顎運動測定を実施した。原則測定毎に上下顎印象採得を行い、歯列形態の三次元モデル(STLデータ)を製作した。また、25回はCT撮影も行い頭蓋骨および下顎骨の三次元モデル(STLデータ)を製作した。被験者39名中これまでの研究で治療中および治療後を含む顎運動測定を実施したのは16名であった。これまでの研究でデータを収集・蓄積した患者は延べ209名である。その内56回は、治療中や治療後を含めて複数回顎運動測定を実施している。次世代Digital dentistryに適した補綴診療プロトコールの確立を目指して、①患者から得られた情報から患者の機能障害や形態障害を、どのように診断し治療計画を立てるのか。また、②いつ最終補綴治療に移行するのか。③補綴装置は何を指標に設計するのか。そのためには、どのような情報がいつ必要となるのか。等の本研究の課題を解決するために測定・蓄積したデータの解析を進めている。 2.顎運動測定器の実用化 顎運動測定に使用している顎運動測定器は、企業との共同研究で実用化を進めており、新たに製作した商用試作器3台について性能評価を実施した。データの新たな校正方法を考案した結果、咬合解析にも十分活用できる精度を実現できていることを確認できた。コロナ禍で複数施設での測定器の評価実験のための試作器の製作が遅れているが、早期実施にむけて準備を進めている。また、ソフトウエア開発業者と秘密保持契約を交わして研究代表者が独自に開発したソースコードを提供し、操作性に優れたアプリケーションの開発を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスによる来院患者数の減少が回復し、本年度の被験者数は39名(延べ40名)と昨年、一昨年度に比較して多くの人数を確保できた。これまでの研究でデータを収集・蓄積した被験者数は延べ209名になっている。治療途中や治療後を含めて2回以上顎運動測定を実施した被験者が100名を超えている。これらの被験者から得られた機能情報(顎運動データ)と形態情報(CTやスキャナのSTLデータ)を統合し、次世代Digital dentistryに適した補綴診療プロトコールの確立のために活用できている。また、現在研究に使用している顎運動測定器の実用化研究もコロナ禍やウクライナ情勢の影響で一部電子部品の入手が困難となっており予定よりは遅れているが、本年度はソフトウエアの開発を開始できたこともありおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究成果を継続発展させ、顎運動データおよび3次元スキャナあるいはCTによる歯列、顎骨の形態データの蓄積・解析を行い、次世代Digital dentistryに適した補綴診療プロトコールの確立を目指す。また、現在研究に使用している顎運動測定器の実用化研究を進める。
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