研究課題/領域番号 |
20K10069
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
辻村 恭憲 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00548935)
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研究分担者 |
井上 誠 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00303131)
上羽 瑠美 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10597131)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 咀嚼 / 嚥下 / 一口量 / 食塊動態 / 筋活動 / 咳嗽 / TRPV1 / ASIC / 電気生理学 / 摂食嚥下障害 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の肺炎予防として歯科介入の重要性が認識されており,特に摂食嚥下リハビリテーションにおける咀嚼の役割が注目されている.咀嚼により嚥下が制御されることは実験的に証明されているものの,そのメカニズムは解明されていない.本研究は,“咀嚼は安全かつ円滑な嚥下運動に寄与する”という仮説を立て,咀嚼による嚥下の制御メカニズムを解明することを最終目標とする.研究成果は,咀嚼および嚥下機能への理解を深めることに加えて,摂食嚥下障害患者に対する咀嚼の有効性ならびに「食」における咀嚼の意義を明らかにすることにつながり,国民のQOL向上に貢献すると期待できる.
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研究成果の概要 |
本研究は,よく噛むことが咀嚼嚥下に与える効果の検証を目的とした.被験者は8, 12,16gのバリウム含有米飯を自由咀嚼とよく噛むの2条件で摂取した.嚥下造影と咬筋,舌骨上筋および甲状舌骨筋の筋電図から食塊移送と筋活動を評価した.初回嚥下時の下咽頭移送時間はよく噛むことで8gでは差はなく,12gでは短縮し,16gでは延長した.12gにおいてはよく噛むことで下咽頭食塊通過速度が速くなっていた.一方,16gではよく噛むことで自由咀嚼と比較して食塊量が増加し,その差は食道入口部通過時間の差と正の相関関係を認めた.よく噛むことが下咽頭通過速度に与える影響は摂取量に応じて異なることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,よく噛むことが咀嚼・嚥下に与える影響を目的として,健常成人を対象として行われた.咀嚼機能において,よく噛むことは,少量および中等量では咀嚼時筋活動を減少し,多量では筋活動に影響はないものの,初回嚥下量を増加することが確認された.一方,嚥下機能において,よく噛むことは,中等量では下咽頭通過時間を短縮し,多量では下咽頭通過時間を延長することが確認された.以上から,よく噛むことは,一口量に応じて咀嚼・嚥下機能に与える効果が異なることがわかり,このことは摂食嚥下障害患者における一口量と咀嚼動作の重要性を示唆している.
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