研究課題/領域番号 |
20K10086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 淳 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (60319069)
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研究分担者 |
北川 善政 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (00224957)
大賀 則孝 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (40548202)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 自律神経活動 / ストレス / 交感神経 / 副交感神経 / 口腔癌 / 唾液 / 自律神経 |
研究開始時の研究の概要 |
癌の増殖と自律神経の関与は不明であった。Kamiyaら(Nature Neuroscience:2019)は自律神経が乳がんの増大に伴って乳がん組織内に入り込み、がんの増殖や転移に強い影響を及ぼすことを発見した。自律神経は免疫を制御する神経免疫の主役で、免疫チェックポイント分子を鍵とした腫瘍免疫と共に、発癌や癌の増殖に関連することが想定される。しかし口腔癌の発癌や癌の増殖・転移と「自律神経」・「腫瘍免疫」・「低酸素」の相互作用は解明されていない 。口腔癌において、ストレスの多い交感神経優位の状態では癌に入り込む交感神経の密度が増して予後に影響するのか、ストレスが少ないとどうなるかを解明する。
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研究成果の概要 |
口腔がんは患者さんの審美性や摂食・会話などの重要な機能を低下させる。口腔がんの早期発見や適切な治療には、癌化や癌の増殖に関連する新たな因子の同定が必要である。本研究の目的は、令和2年度~令和4年度の期間で、生体の自律神経(交感神経および副交感神経)活動が、腫瘍免疫などとどのように口腔癌の発癌、増殖、転移などに関連するかを解明することである。自律神経は生体の重要な働きをサポ-トしており、私達は交感神経と副交感神経の適正なバランスにより健やかな生活がおくれる。 研究結果からは、口腔粘膜疾患を有する患者さんにおいては、健常者に比較して副交感神経活性が低下している傾向が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔がんは罹患患者さんの審美性や摂食・嚥下・会話などの重要な機能低下に繋がる疾患であり、進行した状態で診断されると予後が低下する。特に口腔がんは頸部リンパ節などに転移すると予後が非常に悪くなることが知られている。がんの早期発見、早期治療が求められている。口腔粘膜疾患を有する患者さんでは健常者と比較して、副交感神経活動が低下している傾向が認められた。副交感神経活動の低下が口腔粘膜疾患にどのように関連しているかなどについては、今後の研究が必要である。これらの一連の研究は、今後の口腔粘膜のがん化やがんの進行を予防する戦略に繋がる可能性があると考える。
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