研究課題/領域番号 |
20K10091
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
安部 貴大 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (20383250)
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研究分担者 |
阿部 雅修 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10392333)
小松 紀子 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (10644106)
太期 健二 日本医科大学, 先端医学研究所, 助教 (20466866)
岡本 晃充 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (60314233)
浜窪 隆雄 日本医科大学, 先端医学研究所, 教授 (90198797)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 口腔がん / 抗体薬物複合体 / 光線力学療法 / オーファンドラッグ / セツキシマブ / 抗体-薬物複合体 / イムノトキシン / PCI / Robo1 / ADC / 口腔癌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,がん細胞特異的に抗がん剤を送達させ,さらに高効率の内在化を可能とするPCI(Photochemical internalization)を併用した抗体薬物複合体(ADC:antibody drug conjugate)の創出を目指し,口腔扁平上皮癌を対象にした基盤研究を行っていく.がん病変に特異的かつ高効率に殺傷効果をもたらすこれらの技術開発は,既存の抗体医薬を含め,発現量が少ないために開発が断念されていた様々な標的因子への応用も可能となり, Therapeutic window を広げる次世代の抗体治療に繋がることが期待される.
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研究成果の概要 |
セツキシマブ(Cmab)と光線力学的治療薬の抗腫瘍効果を検討した。頭頸部扁平上皮癌細胞株のEGFR発現を確認し、さらに毒素結合型Cmab(immunotoxin:IT-Cmab)と光増感剤との併用で近赤外光照射による細胞傷害効果を検討した。それぞれの細胞でEGFRの発現に差があった。CmabとIT-Cmabの間で細胞毒性効果に差はなかったが、IT-Cmabと光線力学的療法の併用は、中程度のEGFR発現を有する細胞に対する細胞毒性効果に明らかな有意性を示した。本研究により、既存の抗体医薬と光線力学的治療薬の応用の有用性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん治療には、標準治療の外科療法や化学療法、放射線療法に加え、抗PD-1抗体や抗PD-L1抗体を代表とした免疫チェックポイント阻害薬による第4の免疫療法、抗体に光を応用した第5の光免疫療法などがある。今回、光増感剤投与下で光照射を行う光線力学療法を併用することで、腫瘍特異的に薬剤の内在化が増強され、その効果を大きく改善できることを明らかにし、新たな治療戦略としてiTAP法(intelligent Targeted Antibody Phototherapy)と命名した。既存の抗体医薬やこれまでに開発が断念されてきた抗体にも応用が可能であり, 頭頸部癌の新たな治療の選択肢として期待できる。
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