研究課題/領域番号 |
20K10092
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
川崎 真依子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40584587)
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研究分担者 |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
大峡 淳 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40266169)
川崎 勝盛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40529640)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | SHH / WNT / 一次繊毛 / SHHシグナル経路 / WNTシグナル経路 / Shh シグナル / Wntシグナル / 発生・文化 |
研究開始時の研究の概要 |
一次繊毛 primary ciliaは発生過程に関わる細胞内外の主要なシグナルを感受するアンテ ナとして機能しており、この機能不全は重度の顎顔面形成異常を伴う繊毛病を引き起こす。 これまでの研究ではシグナル経路間の相互作用やシグナル経路の器官形成に与える時空間的 な影響は未解明のままであり、この原因の1つとして複数のシグナルを同時にターゲットに した研究がなされていないことがあげられる。 本研究は、SHHとWNTシグナル経路を人為的に同時に制御し、シグナル経路間の相互作用を形態学的に、分子生物学的手法を用いて解析することにより、顎顔面領域の発生過程における一次繊毛の機能を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、一次繊毛で機能するSHHとWNTシグナル経路を人為的に同時に制御し、シグナル経路間の相互作用を形態学的・分子生物学的手法を用いて解析することにより、顎顔面領域の発生過程における一次繊毛の機能を明らかにした。SHHとWNTを両方制御したマウスは、口蓋裂や歯数異常、歯の形態異常、歯の形成遅延などを認めた。しかしながら、その表現型は、それぞれ単独で制御したマウスのどちらかの表現型に近似していた。本研究により、表現型が極めてシビアな顎顔面領域の形態異常であったことから、SHHとWNTシグナル経路は、顎顔面の形態形成の制御因子として、非常に重要な役割をそれぞれ担っていることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一次繊毛のこれまでの役割である、SHHやWNTによるシグナル伝達および細胞小器官の 合成と維持に加え、本研究で明らかにされる新たな各シグナル間のクロストーク機構の解明より、一次繊毛のより詳細な機能解明が可能となり、歯学のみならず広範な基礎生物学の進展に寄与する。さらに、本申請研究は一次繊毛の機能解明だけでなく、SHH、WNTシグナル経路の異常を原因とする各種先天異常の原因の解明、治療法の開発に貢献できる。これまで対症療法しかなかった繊毛病治療にシグナル経路サイドからの遺伝子治療や予防薬の開発という新しい視点を提供することができる。患者に侵襲の少ない治療を提案することが可能となる。
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