研究課題/領域番号 |
20K10099
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
杉村 光隆 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (90244954)
|
研究分担者 |
大野 幸 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 客員研究員 (00535693)
山形 和彰 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (40784195)
山下 薫 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 講師 (50762613)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 体内時計 / 三叉神経系 / 痛覚日内変動 / TRPA1 / ホルマリンテスト / PER2::LUCマウス / 概日リズム / Cry1/Cry2ノックアウトマウス / 時計遺伝子 / 時間医学 / Cry1/Cry2 / ノックアウトマウス / Cry1/Cry2 ノックアウトマウス / trigeminal nerve / nociception / circadian variation / clock gene / Cry1/Cry2 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔・顔面領域のペインクリニックにおいては、男性患者に比べて女性患者の割合が多いことや、一日の中でも痛みの出やすい時間帯があることが経験されてきました。本研究は、時計遺伝子欠損動物を用いて口腔顔面痛の日内変動が生じるメカニズムとその性差について解明し、投薬のタイミングや性差を考慮した有効で安全な時間治療法の確立につながる基礎的な知見を提供することを目的としています。
|
研究実績の概要 |
疾患の原因解明や治療戦略に体内時計機構に関する研究で得られた知見を応用する試みが始まっている。「痛み」の研究においても、痛覚の日内変動に言及した臨床報告が散見され、時間の概念を取り入れた上で診断と治療を行うことが重要である。そこで本研究では、これまでの「痛み」の研究に時間生物学的な視点を加え、より効果的な治療方法や制御方法を確立するための基礎的知見を提供することを目的としている。10週齢の雄マウスを12/12時間の明暗サイクルで少なくとも10日間飼育した。その後、三叉神経第2枝領域にホルマリンを注射し、疼痛関連行動(PRB)の持続時間を評価した。その後、免疫組織化学染色を行い、三叉脊髄路尾状亜核(Sp5C)のc-Fos免疫陽性細胞を数えた。さらに、マウスから三叉神経節を取り出し、定量的リアルタイムPCR法により、侵害受容体の日中および夜間の発現を調べた。その結果、PRBの持続時間は夜間でより長く、Sp5Cのc-Fos免疫陽性細胞数は昼間より夜間の方が多かった。 さらに、三叉神経におけるtransient receptor potential ankyrin 1(TRPA1)のmRNA発現は、日中よりも夜間の方が有意に高かった。これらの結果から、三叉神経領域における痛みは、侵害受容器の発現の違いもあり、げっ歯類が活動する夜間では昼間よりも強いことが示唆された。次に、三叉神経支配領域における痛みの昼夜差を生み出す原因は、三叉神経節にあるのではないかと仮定し、三叉神経節における時計遺伝子の発現をPER2::LUCマウスを用いて検討した。その結果、三叉神経節には明瞭な概日リズムが観察された。この明瞭な概日リズムの振動は、三叉神経節が自律的な概日振動を通して痛覚も含めた感覚入力の中継と時間ゲーティングを担っていることを示唆している。以上の結果をまとめて成果発表を行なった。
|