研究課題
基盤研究(C)
人類のなかで最も高率に発症する外表奇形は口唇口蓋裂である。口唇口蓋裂は大きく分類すると口唇裂、口唇口蓋裂、口蓋裂という3つの疾患群に分類され、片側、両側、完全、不完全型とさらに詳細に分けられており、本研究では「ゆらぎ」と捉えている。そしてそれがどのようにそれが決定づけられているのかは不明である。本研究は1)DNAメチル化解析、 2) mRNAシーケンス、3)変異未検出サンプルの全ゲノムシークエンシングを行い、オミックス解析を行うことで「ゆらぎ」への影響を解明する。
現在まで、ナノポアテクノロジー社の機器を使用して構造変化等の解析を行うとともに、家族サンプルを用いて比較検討している。現在では、一家族内に複数人の口唇口蓋裂患者が存在している家族からわかる親兄弟間で共通する変異や特異点を解析している。またwhole genome sequenceとメチレーション解析を行っているので新たな候補遺伝子も発見できる可能性もある。遺伝子解析は長鎖に対して効率的な解析を行っている。試料のクオリティチェックも問題なく、唾液由来のDNAと血液由来のDNAの差については特に問題にはならないことがわかった。しかしDNAの長さには差があり、また収量も唾液の場合はその時その時で差が大きく、数回に渡って試料を再収集した。解析精度に関しては実際に解析しており、ノイズに関しては、個体数が少ないので発現頻度が低い変異に関して通常は健常者では5%以下としているものに対しても、1%くらいまでにする必要がある可能性があり、解析においてわかりやすくハイスループットに関連付けれる解析を行っている。現在のところ、30xレベルでのDepthでデータは収集できており、ヘテロ接合体を検出可能なデータ量であり、メチル化については3.3%刻み程度の解像度でメチル化率を検出できる計算である。単サンプルではフェージングとSV検出は終了しているが、日本人の集団の中でのrare SVを効率的に選別できるのか、また、家族間での派生頻度の差を検討している。
3: やや遅れている
データ量等が膨大なため、解析に時間がかかっている。また解析システムの最終確認を行なっておりデータ統合に支障がないように検討を行っている。
複数の解析方法を用いているため、より精度の高い解析方法、ハイスループット可能な方法を模索している。
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Genes
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10.3390/genes14111995
Mol Genet Genomic Med.
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