研究課題/領域番号 |
20K10107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
樋口 勝規 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 客員教授 (70117224)
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研究分担者 |
清島 保 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20264054)
藤井 慎介 九州大学, 歯学研究院, 講師 (60452786)
長谷川 佳那 九州大学, 歯学研究院, 助教 (30793989)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 唾液腺 / 腺様嚢胞癌 / Sema3A / Wnt/β-カテニン経路 / 細胞増殖 / 癌形質 / 形態形成 / Semaphorin3A (Sema3A) / 唾液腺悪性腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、唾液腺悪性腫瘍の腺様嚢胞癌におけるWnt/β-カテニン経路の異常活性化について報告された。Wnt/β-カテニン経路は主に遺伝子発現を制御するが、我々はWnt/β-カテニン経路の新たな下流因子Semaphorin3A(Sema3A)を同定し、Sema3Aによる細胞増殖制御を見出した。しかし、腺様嚢胞癌におけるSema3Aの意義は不明である。 本研究では、Wnt/β-カテニン経路の新規下流因子Sema3Aの腺様嚢胞癌における役割の解明およびSema3Aシグナルを標的とした腺様嚢胞癌の新規治療法の開発を目的とする。これは、腺様嚢胞癌における新規分子基盤の解明と新規治療法開発のための基盤となる。
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研究成果の概要 |
本研究では、唾液腺発生と腺様嚢胞癌の腫瘍形成におけるSemaphorin 3A (Sema3A)の関与について検討した。その結果、唾液腺発生においてSema3Aの発現はWnt/β-cateninシグナルにより負の制御を受け、またSema3A はAKTのリン酸化を介し細胞増殖を正に制御していることが明らかとなった。腺様嚢胞癌の免疫組織化学的検索にて、Sema3Aは腫瘍胞巣で強発現し、リン酸化AKTとの共発現が高頻度にみられた。これらの結果より、Sema3A-AKTシグナルは細胞増殖を促進し、唾液腺の形態形成と腺様嚢胞癌の病態形成に寄与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先行研究にて、Sema3AがWnt/β-cateninシグナルの新規下流因子であることを明らかにした。本研究では、このSema3Aの唾液腺発生と腺様嚢胞癌における発現・機能を明らかにすることを企図した。特に、腺様嚢胞癌の病理組織標本において、Sema3Aが腫瘍性筋上皮細胞特異的に発現していることを見出したことは今まで報告がなく学術的な意義がある。また、Sema3A-AKTシグナルが細胞増殖を促進することから、Sema3A-AKTシグナルを標的とした抗腫瘍治療につながる可能性があり、社会的意義も大きい。
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