研究課題/領域番号 |
20K10113
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 岐阜大学 (2022) 新潟大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
片桐 渉 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10437030)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マクロファージ / 骨再生 / 培養液 / 幹細胞 / 培養上清 / サイトカイン / 液性因子 / 抗炎症 / 骨質 / 間葉系幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢化社会において、歯槽骨の骨質低下は歯の喪失リスクを高めフレイルの起点となり健康寿命短縮に直結する問題である。したがって長期にわたり安定する歯槽骨の存在が不可欠であるが、加齢等に伴う骨質低下はその障壁となる。従って骨質改善・維持に主眼を置いた治療法の確立が急務である。これまで応募者らはが間葉系幹細胞培養上清由来液性因子群が内在する幹細胞や血管内皮細胞を局所に遊走させ質の高い骨再生を促進することを明らかにしてきた。本研究ではさらに近年の幹細胞ステムネス性維持やマクロファージによる再生環境構築などの知見を踏まえ、骨量を増加させるだけではない、骨質改善・維持を目的とした骨再生法の開発を行う。
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研究成果の概要 |
MSC-CMからMCP-1を除去したdepMSC-CMを作成した。マクロファージ(BMM)はラット大腿骨より採取培養した。BMMをMSC-CM、depMSC-CM存在下で培養し極性を確認した。ヒトMSCを各CM存在下で培養、骨形成関連遺伝子発現を検討した。ラット頭蓋骨欠損モデルでは各CMを移植し骨形成を検討した。 MSC-CMにはMCP-1が含有され、MSC-CM存在下で培養したBMMにおける抗炎症性マクロファージマーカーの発現、ヒトMSCにおける骨形成関連遺伝子の発現の亢進を認めた。移植実験ではMSC-CM群で骨形成が促進、免疫組織化学的評価で抗炎症性マクロファージ数が上昇した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MSC-CMに含有されるMCP-1がマクロファージ極性転換およびそれに続く骨形成に重要な役割を担っていることが示唆された。 MSC-CMによる骨形成に関わる因子の同定は組織再生のメカニズムを明らかにするばかりでなく、創薬の基盤研究ともなり得る。幹細胞ニッチにおける造血幹細胞-間葉系幹細胞間の相互作用などを含め新たな骨再生の戦略として今後も研究を継続する予定である。
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