• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

慢性咀嚼筋痛発症過程における中枢神経系の機能的変化の機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K10116
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分57060:外科系歯学関連
研究機関広島大学

研究代表者

吉田 充広  広島大学, 病院(歯), 講師 (40364153)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワード慢性咀嚼筋痛 / 炎症 / マイクログリア / 非ステロイド性抗炎症薬 / アセトアミノフェン / 中枢神経
研究開始時の研究の概要

慢性咀嚼筋痛は口腔顔面領域で最も頻度の高い非歯原性(歯や歯周組織に原因がない)疼痛であり、しばしば食事、呼吸、会話といった日常生活に不可欠な活動を制限するにもかかわらず、現在も有効な治療法が存在しない。このような状況は、慢性咀嚼筋痛の発症機序に関する知見
(特に中枢神経系に関する知見)が未だ不十分であることに一因があると考えている。そこで、本研究では、慢性咀嚼筋痛の発症過程での中枢神経系の機能的変化(神経の過敏化)の機序を解明らかにすることで、慢性咀嚼筋痛治療につながる基礎的な知見を得ることを目指す。

研究実績の概要

昨年までの研究結果から、慢性咀嚼筋痛の発症には、急性痛時の炎症メディエーター放出によるグリア細胞の活性化が起因となっていることが予測できたことから、抗炎症作用が小さい鎮痛薬の投与で慢性咀嚼筋痛の発症が抑制されるか否かを確認した。抗炎症作用が小さい鎮痛薬には、アセトアミノフェン(アセリオ静注液)を使用し、投与は短時間のイソフルラン麻酔下で発痛物質(3%カラゲナン)投与の同日に200mg/kgの腹腔内注射で行った。この結果、急性痛時に抗炎症作用が小さい鎮痛薬の投与を行っても慢性咀嚼筋痛の発症が抑制されないことが確認された。これまでに得られている、「抗炎症作用のある鎮痛薬(非ステロイド性消炎鎮痛剤:メタカム2%注射液)を急性痛時に投与すると慢性咀嚼筋痛の発症が抑制される」という知見と考え合わせると、慢性咀嚼筋痛の発症には、急性痛時の炎症メディエーター放出によるグリア細胞の活性化が起因となっていると考えられる。また、今後この仮説をさらに確実なものにするために、現在、抗炎症作用が小さい鎮痛薬(アセトアミノフェン)と抗炎症薬(ステロイド)を急性痛時に同時に投与した場合の慢性痛の発症状況がどうなるかを検討中である。
これまでに得られた知見の一部は、2024年3月に米国で開催されたIADR/AADOCR/CADR General Sessionで発表した。また、2024年4月に大阪で開催されるOral Neuroscience 2023
でも研究内容の紹介を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ感染が広まった年からの研究開始であったため、研究開始時期が遅れたうえに、研究に必要な薬品や消耗品が手に入りにくくなった時期があったこと。また、研究途中での電子痛覚測定装置の故障の修理に時間がかかったことの影響が継続している。このため、この度も研究期間の延長を申請した。

今後の研究の推進方策

今後は、抗炎症作用が小さい鎮痛薬(アセトアミノフェン)と抗炎症薬(ステロイド)を急性痛時に同時に投与した場合の慢性痛の発症状況がどうなるかを検討をすすめ、さらに組織標本によるマイクログリアの活性化を確認することで、現在予想している仮説が正しいかどうかを確認する予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2022 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Pentobarbital may protect against neurogenic inflammation after surgery via inhibition of substance P release from peripheral nerves of rats.2022

    • 著者名/発表者名
      Onizuka, C., Irifune, M., Mukai, A., Shimizu, Y., Doi,M., Oue,K., Yoshida, M., Kochi, Y., Imado, E., Kanematsu, T., Nakamura, Y., Morioka, M., Nakata. Y. and Sakai、N.
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters

      巻: 771 ページ: 136467-136467

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2022.136467

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] NMDA and purinergic processes modulate neck muscle activity evoked by noxious stimulation of dura2020

    • 著者名/発表者名
      Yao Dongyuan、Li Jian、Yoshida Mitsuhiro、Sessle Barry J.
    • 雑誌名

      Journal of Oral Pathology & Medicine

      巻: 49 号: 6 ページ: 547-554

    • DOI

      10.1111/jop.13072

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Meloxicam Prevents Carrageenan Carrageenan-induced Chronic Hyperalgesia And Microglial Activation2024

    • 著者名/発表者名
      Mitsuhiro Yoshida, Toru Yamamoto, Eiji Imado, Yuhei Koyama, Yatendra Mulpuri, Serika, Imamura, Hisanobu Kamio, Aya Oda, Tamayo Takahashi, Yuzo Imai, Tomoaki Ujita, Emi Sawada, Naotaka Kishimoto, Kenji Seo
    • 学会等名
      2024 IADR/AADOCR/CADR General Session & Exhibition
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi