研究課題/領域番号 |
20K10125
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
國分 克寿 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (90535808)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 歯原性腫瘍 / 口腔病理 / バイオマーカー / 遺伝子解析 / 唾液腺腫瘍 / エクソソーム / 口腔がん / DNA / RNA |
研究開始時の研究の概要 |
口腔がんには扁平上皮癌や唾液腺腫瘍などがあり、その病理組織像は多彩である。また、一つの腫瘍型の中にも多様な組織成分が混在するので、病理組織学的診断は難しいことがある。このような多彩な病理組織像を示す疾患の診断においては組織像以外のアプローチが必要であり、がんゲノムの解析が重要であると考えられている。本研究では特にエクソソームが宿主細胞の遺伝情報を含有することに着目し、唾液エクソソームを用いた口腔がんの遺伝情報の解析ならびに診断を目的とする。具体的には、口腔がん患者の唾液エクソソームからdsDNAならびにmiRNAを抽出し、腫瘍の遺伝情報を元に口腔がんの新たな診断基準を確立する。
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研究成果の概要 |
歯原性腫瘍の患者サンプルからDNAを抽出し、遺伝情報の解析を行った。エナメル上皮腫患者サンプルを用いてBRAF変異の解析を行った結果、83%にBRAF変異(V600E)が認められた。また、抗BRAF V600E抗体を用いて免疫組織化学的染色を行なった結果、変異の存在を検出することが可能であった。このBRAF変異と臨床病理学的特徴との関連性はみられなかった。同じ症例に関してSMO変異の検索も行なったが、SMOの変異に関しては検出できなかった。また、歯原性粘液腫の患者サンプルを用いて全エクソーム解析を進め、その原因遺伝子を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本結果により、歯原性腫瘍、特にエナメル上皮腫や歯原性粘液腫の診断において遺伝子解析が有用であることがわかった。特にエナメル上皮腫においては、BRAF変異が高頻度でみられることから診断困難な症例において遺伝子解析がその一助となることがわかる。また、これまでに歯原性粘液腫の原因遺伝子に関しての報告はなかったが、本研究により原因遺伝子が同定されたことにより、今後、診断への影響を検索していくことで、遺伝子診断へつながっていくことが示唆された。
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