研究課題/領域番号 |
20K10127
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
吉野 文彦 神奈川歯科大学, 歯学部, 准教授 (20308307)
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研究分担者 |
吉田 彩佳 神奈川歯科大学, 歯学部, 准教授 (00609414)
居作 和人 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (90257296)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 光線力学療法 / 5-アミノレブリン酸 / 活性酸素種 / 青色光 / プロトポルフィリンIX / 舌癌 / PDT / 活性酸素 / 酸化ストレス / 殺細胞効果 / 歯肉癌由来細胞株 / ヒト口腔扁平上皮癌細胞 / 鉄キレーター / フェノールレッド / 口腔扁平上皮癌 / 口腔癌 / ブルーライト |
研究開始時の研究の概要 |
外科治療を伴わない光線力学的療法 (PDT) は低侵襲性であり,光増感剤を用いた癌 PDT が大きな発展を遂げており,近年,光増感剤 5-アミノレブリン酸 (ALA) を用いた PDT が注目されている。ALA は体内で Protoporphyrin IX (PpIX) へ代謝され,癌細胞に集積する。このため,癌 PDT へは ALA が応用され,かつ深部癌組織へ到達可能な赤色光が用いられている。一方,PpIX の最大励起波長は青色光であり,青色光は表在性癌への浸透度が高く,口腔癌 (舌癌) は粘膜表層を原発とした発症頻度が高く,本研究では,この特徴を活用した新規口腔癌 PDT を確立する。
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研究成果の概要 |
光線力学療法(PDT)の最大の特徴は,様々な波長の光を用いて光感受性物質を励起させることで生じる活性酸素種(ROS)により,抗悪性腫瘍作用を発揮することである。今回,5-アミノレブリン酸(ALA)-PDTへ青色光を用い,従来型PDTより治療効果が高い口腔癌PDT確立を目的として基礎的検討を行った。 結果,口腔癌細胞(Ca9-22)に対し,ALA-PDTは有意な殺細胞効果を示した。細胞内酸化ストレスは青色光照射で有意に増加した。 以上の結果,ALA 処置により癌細胞内でプロトポルフィリンIXが増加し,とくに青色光照射により細胞内でROSが生成され殺細胞効果を発揮した可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
通法によるPDTは赤色光を用いることで,人体の深部癌の治療を行うものであるが,この研究では青色光を用いることで,より表層に生じる癌へのPDTを検討した。その結果,十分な抗癌作用を示したため,口腔領域,とくに舌表層に生じる舌癌に対し,非外科的治療を含めた口腔癌患者のQOL維持への応用,貢献が期待できる治療プランへ応用できる可能性が考えられ,今後のPDT研究において,極めて重要な社会的意義がある。
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