研究課題/領域番号 |
20K10135
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
加藤 広禄 金沢大学, 医学系, 准教授 (30444201)
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研究分担者 |
川尻 秀一 金沢大学, 医学系, 教授 (30291371)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / 線維芽細胞 / エクソソーム / フローサイトメトリー / PD-L1 / sEV / TIM4アフィニティー法 / 形態 / 増殖 / 浸潤 / 遊走 / インターフェロン-γ / 癌関連線維芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、癌細胞とその周囲にある癌関連線維芽細胞(CAF)との相互作用が、癌細胞の生存や癌の進展に深く関わっていることが明らかとなり、その細胞間コミュニケーション媒体として細胞外小胞(EVs)が注目されている。その中でもエクソソームには情報伝達媒体が含有されており、癌細胞ならびにCAFはそれらを互いに分泌し合うことにより、癌の進展に影響を与えていると考えられている。本研究において、高浸潤口腔扁平上皮癌細胞ならびにCAFが分泌するエクソソームの癌進展への影響を検討するとともに、エクソソーム内の癌進展に影響を与える分子の機能解析を行うことである。
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研究成果の概要 |
口腔扁平上皮癌細胞をCAFの培養上清で培養することで、CAFが口腔扁平上皮癌細胞に与える影響を検討した。その結果、口腔扁平上皮癌細胞が紡錘体様に形態変化し、口腔扁平上皮癌細胞の増殖や浸潤、遊走に影響を与えることが確認できた。 口腔扁平上皮癌細胞から放出されるsmall Extracellular Vesicle(sEV) のフローサイトメトリー分析において、抗体を効果的に洗浄するためにSEC 法や TIM4 アフィニティー法などの高純度のsEV 精製法の使用が必要であることがわかった。また、細胞性PD-L1 の発現レベルと PD-L1陽性sEVの検出率の間に相関関係がないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔扁平上皮癌においても、間質にあるCAFとの相互作用が癌の進展に重要な役割を果たしていることがわかり、これまでの癌細胞を標的とした治療とは異なり、CAFからの情報伝達という新たな治療標的が見つかったことは、今後の新規口腔癌治療開発に役立つ研究である。 また、口腔扁平上皮癌細胞から放出されているsEVにおいて、PD-L1が限られたsEV集団で発現していることは、PD-L1が限られたsEV生合成経路を介して生成されていることが示唆されており、 フローサイトメトリーを用いた単一sEV解析は、疾患におけるsEVの機能解明のみならず、sEV関連疾患の診断にも有用であると期待される。
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