研究課題/領域番号 |
20K10141
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
熊丸 渉 九州大学, 大学病院, 講師 (90432947)
|
研究分担者 |
鬼丸 満穂 九州大学, 医学研究院, 助教 (00380626)
藤永 貴大 九州大学, 大学病院, 助教 (10738206)
鈴木 淳史 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30415195)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 口腔扁平上皮癌細胞株 / シングルセル / がんの不均一性・多様性 / シングルセル樹立法 / 口腔扁平上皮癌細胞 / 口腔癌 / 癌免疫 / 癌免疫応答 / 仮想リンパ節転移モデル |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞を攻撃する免疫細胞の関門は、原発巣早期(腫瘍浸潤リンパ球)とリンパ節への到達した早期である。今回、一人の歯肉癌患者よりリンパ球と癌細胞および転移リンパ節から培養した癌細胞を用いて、仮想リンパ節転移モデルを作製し、免疫応答より回避して増殖する癌細胞のメカニズムについて遺伝子解析を行う。
|
研究実績の概要 |
癌細胞株での解析は、増殖能が劣る遊走能に優れた細胞群が培養増殖下に淘汰されるため、十分な解析結果が得られるとは判断しにくい。そこで、がんの不均一性・多様性をふまえると転移能をはじめとするさまざまな癌に関する解析は、シングルセル由来細胞での解析が重要だと考えられる。われわれは口腔扁平上皮癌細胞株(WK2)の初代培養より早期に保存された癌細胞よりシングルセル由来の細胞を多数樹立した。形態学的には、通常の癌細胞の形態をした角化細胞様細胞が大多数を占めていたが、dish上での細胞倍加時間と浮遊培養下でのSphere形成能での増殖能は様々であった。遊走しながらゆっくり分裂する細胞(3-12)に着目し、比色法での浸潤能を確認した。 結果 1)比色法での浸潤能を3群に分類すると、最も高かった角化細胞様細胞(9-22)は、細胞倍加時間が長く、Sphere形成能は高かった。比色法での浸潤能が最も低かった角化細胞様細胞(20-16)は、細胞倍加時間が短く、Sphere形成能は中程度であった。また、比色法での浸潤能が低かった角化細胞様細胞(17-13)は、細胞倍加時間が最も短く、Sphere形成能は最も高かった。肉眼的に遊走しながらゆっくり分裂する細胞(3-12)は、浸潤能は中程度であったが、細胞倍加時間が最も長く、Sphere形成能も最も低かった。このように、さまざまな多様性のシングルセルの存在が明らかになった。 2)シングルセル由来の細胞の遺伝子発現に対してRNA-seqを行い、in vitroでの結果を踏まえて、それぞれの細胞間での解析を行っているが、特異な増幅遺伝子の発見には至っておらず、解析中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今回は10種類の遺伝子発現解析(RNA-seq)を行ったが、まだin vitro の実験データと相関するような発現強度の示すデータにたどり着いてはいなない。
|
今後の研究の推進方策 |
浸潤能の解析結果も踏まえて、シングルセル由来細胞の様々な遺伝子発現解析(RNA-seq)を進めて、論文の作製に取り掛かる。
|