研究課題/領域番号 |
20K10145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
渕上 貴央 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40772439)
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研究分担者 |
鈴木 甫 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (10623340)
吉村 卓也 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (30726758)
岸田 想子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (40274089)
岸田 昭世 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50274064)
岐部 俊郎 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50635480)
中村 典史 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (60217875)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | エナメル上皮腫 / 歯原性腫瘍 / 三次元培養 / 動物実験モデル / 動物実験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、異なる組織型のヒトエナメル上皮腫不死化細胞株であるAM-1(叢状型由来)、AM-3(濾胞型由来)、AM-4(混合型由来)および、腫瘍間質に豊富に存在する線維芽細胞を用いた三次元培養実験系による細胞生物学的実験により、本腫瘍の浸潤発育に関わる因子の候補の同定を目指す。さらに、既に構築した免疫不全マウスを用いた動物実験モデルを用いて細胞実験系で得た結果の検証を行う予定である。最終的に、エナメル上皮腫の浸潤発育に強く関連する因子を同定し、病態の異なる様々なタイプのエナメル上皮腫に対する戦略的な治療法の実現に繋がる治験を得る。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、良性腫瘍にも関わらず強い局所浸潤性を示すエナメル上皮腫について、その浸潤発育に関わる因子についての知見を得ることである。今年度は延長期間であり、最終年度である昨年度までの成果について検証した上で、その成果を英文雑誌投稿することを目標とした。具体的には、昨年度同様エナメル上皮腫由来のIL-1alphaが、エナメル上皮腫細胞自身や間質細胞に影響を与えることで浸潤を制御する可能性に着目した研究を行った。昨年度の成果であるエナメル上皮腫細胞株はIL-1alphaの刺激により浸潤に関係する消化酵素であるMMP-9の発現が有意に上昇し、これらの反応がIL-1 Receptor antagonist(IL-1 Ra)および抗IL-1alpha抗体により抑制されるという結果について、試行回数を重ねることで統計的有意な結果を得た。また、エナメル上皮腫細胞の運動能や浸潤能がIL-1alphaによって有意に亢進し、IL-1 Raおよび抗IL-1alpha抗体によって抑制されるという結果も同様であった。腫瘍間質に存在すると考えられるマクロファージへの影響についても、その遊走能はエナメル 上皮腫細胞由来のIL-1alphaにより促進され、その反応はIL-1 Raおよび抗IL-1alpha抗体によって抑制されるという結果は統計的にも有意が示された。さらに、エナメル上皮腫細胞株は線維芽細胞の存在により浸潤形態変化や浸潤能の促進が引き起こすという結果についても施行回数を増やすことで確証を得ることができた。これらの結果は本腫瘍の示す局所浸潤に腫瘍細胞から分泌されるIL-1alphaが関係し、その刺激を受けた間質細胞から分泌される因子が腫瘍の浸潤発育に重要な役割を担っている可能性が示唆された。以上の結果をまとめた上で英文雑誌に投稿し、採択を受けることができた。
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