研究課題/領域番号 |
20K10146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
丹下 正一朗 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40571211)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 口腔がん / 腫瘍マーカー / ヒストン修飾 / 予後予測因子 / 口腔癌 / エピジェネティクス / ポリコーム複合体 |
研究開始時の研究の概要 |
ポリコーム複合体2(PRC2)と呼ばれる蛋白質複合体は、主に細胞核内で遺伝子の転写抑制に貢献する。この中でも酵素活性を持つEZH2は、いくつかの腫瘍において高発現を示しており、腫瘍の悪性化に寄与していることが明らかになっている。その一方で、PRC2を構成する蛋白質のうちEZH2以外の蛋白質については腫瘍においてEZH2の機能を補助する存在として以外の機能を検証している報告が殆ど存在しない。本研究では、一部PRC2構成蛋白質の高発現を認めた口腔がん細胞株を用いて、PRC2のうち非酵素蛋白質が独自に腫瘍の悪性化を促進している可能性について検証していく。
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研究成果の概要 |
本研究は、遺伝子の転写抑制に寄与するPolycomb蛋白質複合体のうち、酵素活性を持たない蛋白質を対象とした研究である。臨床検体のデータベースであるTCGAの口腔がんの発現情報を解析した結果、本研究対象の遺伝子のうち一つにおいて、高発現群の無再発生存期間は低発現群に対して有意に長いことが示された。口腔がん細胞株において、この遺伝子をノックダウンする実験を行い、トランスクリプトーム情報の解析を行った。この結果、同遺伝子のノックダウンによって、運動能の増加や薬剤抵抗性の獲得などと相関する腫瘍の悪性化の兆候の一つである上皮間葉転換に寄与する遺伝子群の発現レベルが上昇することが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝子の転写抑制に寄与するPolycomb蛋白質複合体は、発がんや腫瘍の悪性化に寄与するという趣旨の報告が多くなされてきている。しかしながら本研究では、従来の報告とは逆に腫瘍の悪性化を阻害する形での関与を示唆する結果が得られた。この知見は、PRC2阻害薬等、将来的に薬剤を臨床的に導入する際の患者の投与適合性の是非を判断するための指標という形で社会に貢献をしうる可能性がある。
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