研究課題/領域番号 |
20K10169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
松田 幸子 昭和大学, 歯学部, 教授 (50266178)
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研究分担者 |
田口 亮 東京都市大学, 情報工学部, 教授 (40216825)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 舌骨 / パノラマエックス線写真 / 口腔機能低下症 / オーラルフレイル / AI / AI分析 / 嚥下障害 / 舌 / エックス線画像診断 / 舌背 / 自動診断支援ソフト |
研究開始時の研究の概要 |
中年以上のパノラマ撮影検査を受けた男女。嚥下検査(VF検査)を受けた者、治療時のむせや嚥下障害を自覚している者、そうでない者それぞれ50-100名程度を抽出し、パノラマX線写真上の舌骨や軟組織、甲状舌骨膜の石灰化の有無などを判定し、どの所見が嚥下障害と関連するかを抽出する。 これらの所見と実際の嚥下障害の有無とを比較し、パノラマX線画像を用いた嚥下障害、オーラルフレイルのスクリーニング方法を確立する。 AI(人工知能)を用いてエックス線画像を嚥下障害の有無を自動診断するソフトウェアを開発する予定としている。 最終的には、このソフトウェアによる診断精度の評価まで行う予定である。
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研究成果の概要 |
舌骨の低位が嚥下障害と有意に関連していることを明らかにした。パノラマエックス線写真で舌骨が下顎下縁仮想線より下にあると嚥下障害が有意に認められたため、これをカットオフ値とした。上記で決定したカットオフレベルを基準としたAIプログラムを作成した。下顎下縁より下の領域に着目した学習方法で舌骨の位置を検出できたが、舌骨全体が見えていない症例の診断精度が低いことが課題となった。AIの学習時には、関心領域を拡大し、群分け数を減らし、舌骨が一部ないし全て見えない症例は学習させないこととした。これにより、従来法に比べて診断精度が0.83から0.97に向上させることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
以前の我々の研究で、舌骨が低位であることが嚥下障害と関連する可能性が高いことを示した。歯科治療においてパノラマエックス線検査は比較的頻繁に行われている検査ではあるが、歯や顎骨についての診断が主体であり、舌骨の位置に注目する歯科医師はほとんどいない。本研究により、AIを用いて舌骨の位置をより正確に検出できるようになった。舌骨が有意に低位であることを自動検出し、治療医師に提示できるようになれば、歯科治療時に誤飲や誤嚥の防止のために頭部の位置を調整するなどの配慮が可能となる。さらにオーラルフレイルへの警笛として、早期対策を促すことができるようになると考える。
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