| 研究課題/領域番号 |
20K10173
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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| 研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
武富 孝治 久留米大学, 医学部, 准教授 (10553290)
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| 研究分担者 |
讃井 彰一 九州大学, 大学病院, 講師 (70507780)
福田 隆男 九州大学, 大学病院, 講師 (80507781)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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| キーワード | SPROUTY2 / 上皮間葉転換 / TGF-β シグナル / MAPK 経路 |
| 研究開始時の研究の概要 |
近年、癌の分子標的薬の発展は目覚ましく、細胞表層の受容体に対するモノクローナル抗体や MEK 阻害剤に代表されるような細胞内の分子をターゲットとした分子標的薬も次々と開発されている。本研究では、細胞のチロシンキナーゼ型受容体の下流で細胞内シグナル伝達を制御する Sprouty2 に着目し、口腔扁平上皮癌細胞の上皮間葉転換 (EMT) における Sprouty2 の作用を解析する。口腔扁平上皮癌のリンパ行性転移機構において Sprouty2 が E-cadherin などの細胞接着分子の発現変化や、浸潤性発育にどのような影響を与えるかを in vitro の実験で調べる。
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| 研究実績の概要 |
これまでの解析で、SPROUTY2 が TGF-β シグナルを抑制することで上皮間葉転換(以下 EMT)を制御することが示唆され、TGF-β シグナルのリガンドとして TGF-β スーパーファミリーの BMP2 を用いたところ、TGF-β シグナル下流の転写因子である骨代謝マーカー: アルカリフォスファターゼ(ALP)、オステリックス(OSX)、オステオカルシン(OCN)の発現が SPROUTY2 により抑制されていた。このことから本年度は、mRNA レベルだけでなく、実際に骨化や石灰化を SPROUTY2 が抑制しているか否かを解析した。 間葉系幹細胞から骨芽細胞に分化する際、アルカリホスファターゼやオステオカルシンなどが徐々に増加し、石灰化することが知られている。 アリザリンレッドは金属基に結合する赤色の色素で、骨分化や石灰化した細胞に沈着したカルシウムを染色することができるため、骨芽細胞に分化したことを確認する際の重要な指標の一つとなる。そのため、ヒト骨肉腫細胞株から単離された SaOS-2 細胞を培養し、BMP-2 刺激における SPROUTY2 存在/非存在下での石灰化の状態を、アリザリンレッド染色を行い解析した。 その結果、bFGF 刺激下において SPROUTY2 は石灰化を抑制しなかったが、BMP-2 刺激下では有意に石灰化を抑制していた。これらのことから、SPROUTY2 が TGF-β シグナルを抑制することで骨代謝マーカー産生を抑制し、その結果として石灰化を抑制することが示唆された。 今後の展開として、これまで得られた in vitro での結果を in vivo(ヌードマウスを用いた実験)で解析することが必要となる。その場合、転移巣が明視化できるように蛍光標識したがん細胞を用いて解析することで、インパクトのある研究が展開すると思われる。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
4: 遅れている
理由
まず第 1 に予定していたエフォートが十分に確保できなかった点が挙げられる。はじめからもう少し配分を考慮して、無理のない計画を立てた方が良かった。 第 2 に研究期間全体を通して、がん細胞におけるシグナル伝達経路の解析を行うため臨床面でサンプルを採取したり組織解析を行うのに時間を費やしたりしたが、いざ基礎実験に応用する際に細胞を骨肉腫から単離した細胞を用いることで、同じシグナル伝達経路の解析ではあるが、骨形成や骨芽細胞分化にもかかわる解析が必要になってしまった。その結果、当初予定した in vivo の解析に着手するのが遅れた。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまで行った in vitro での研究結果を in vivo で再現すべく、ヌードマウスを用いた解析を行う計画も検討しつつ、来年度が研究期間の最終年度なので、ほとんどが in vitro の結果になってしまってはいるが、これまでの結果をまとめて国際雑誌に発表すべく論文作成に時間を費やすことを計画している。論文を投稿し査読がなされる中で必要かつ有意義な提案を得られるため、それに残りの期間を使って研究・成果発表を行う方針である。
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