研究課題/領域番号 |
20K10175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 千晴 北海道大学, 大学病院, 講師 (50222013)
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研究分担者 |
菊地 奈湖 (間石奈湖) 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (00632423)
ANNAN DORCAS・AKUBAMUHYIA 北海道大学, 歯学研究院, 学術研究員 (30837240)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん幹細胞 / 血管ニッチ / 口腔がん / 腫瘍血管内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
がん幹細胞は,高い自己複製能や薬剤耐性を示すため,抗がん剤治療や放射線治療への抵抗性が高く,がんの再発に密接に関係している.したがって,がん幹細胞を制御することががん治療の重要な課題である. 近年,がん幹細胞は血管の近傍に局在することが報告されている.しかし,口腔がんにおけるがん幹細胞のすみか,いわゆるがん幹細胞ニッチの形成メカニズムについてはいまだ不明である. 本研究では,口腔がん幹細胞の維持における血管の役割を明らかにし,口腔がん幹細胞血管ニッチを標的とした新しいがん治療法開発のための基盤的研究を行う.
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研究成果の概要 |
がん幹細胞を腫瘍血管内皮細胞と共培養したがん細胞にて,がん幹細胞マーカーの発現が亢進した.またそれらの細胞は抗がん剤に対する薬剤耐性を示した.腫瘍血管内皮細胞において発現が高い分子の発現を抑制したところ,共培養したがん幹細胞における幹細胞マーカーの発現が低下した.また抗がん剤に対する薬剤抵抗性が減弱した.腫瘍組織において,腫瘍血管の近傍でがん幹細胞マーカー陽性細胞が観察された.腫瘍血管の中でも,腫瘍血管内皮細胞マーカーを高発現している血管の近傍に癌幹細胞が局在している傾向がみられた.今後,それらの発現と臨床病理学的因子,予後との関連などを検討する.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんの難治性に起因するがん幹細胞に関する研究は,現在広く行われている.しかし,腫瘍血管に着目したがん幹細胞研究はほとんど報告がない.がん細胞およびがん幹細胞だけを標的としても,それを養う腫瘍血管が残っていれば,がん幹細胞をサポートし,わずかに残ったがん幹細胞が増殖してがんの再発や転移につながる.がんを根治するためには,がん細胞,がん幹細胞のみなならず,腫瘍血管も標的とする必要があり,また本研究は口腔がんのみならず,多くのがんに共通したがん幹細胞標的化戦略に有用であることが期待される.
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