研究課題/領域番号 |
20K10184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
上田 順宏 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (40571005)
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研究分担者 |
中尾 恵 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (10362526)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 顎骨再建 / 下顎切除 / 手術シミュレーション / 手術デバイス / 口腔癌 / MRONJ / ORN |
研究開始時の研究の概要 |
下顎の悪性腫瘍,顎骨骨髄炎の治療で下顎区域切除が行われると,下顎骨の連続性が断た れることにより摂食嚥下機能,構音機能,整容に著しいQOL低下をきたすため,遊離腓骨による下顎骨の再建手術が通常行われる。その際,QOLを意識した手術結果を得るために術前シミュレーション(Computer-aided surgical simulation:CASS)が併用されるが,満足のいく手術支援とはなりえていないのが現状である。そこで,顎骨再建におけるCASSを簡便化し,専門知識を持たないものでも使用可能な手術デバイスを作製することで,新たな顎骨再建CASSのシステム作りを行う。
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研究実績の概要 |
腓骨骨切りガイドは、パーツごとに強度を考慮してステンレスおよび樹脂にて作製した。新たに作製した腓骨骨切りガイドを用いて手術を行うことで、腓骨を形成し下顎骨に配置することが容易になった。腓骨骨切りガイドの取り扱いについての困難さはなく、これらの一連の手術時間は短縮された。また、手術を繰り返し、腓骨骨切りガイドの強度や取り扱いやすさの再検討を重ね、パーツごとに仕様を変更した。 術前の手術シミュレーション画像と術後1か月経過時のCTを用いて腓骨セグメントの形態についての比較検討を行った。術後のCTから得られた腓骨セグメントの形態は、術前シミュレーションを行った画像と間に大きな差を認めず、腓骨セグメントの長さについては、すべてが1mm未満の誤差に留まっていた。 加えて術後6~12か月経過時のCTにより骨接合部の癒合不全の有無について検討した。その結果、腓骨骨切りガイドを使用したすべての骨接合部で骨癒合が確認された。画像的検証により術前シミュレーションの結果を高精度に再現できる腓骨骨切りガイドであると考えられた。これらの結果の一部を各学会にて発表した。 また、下顎再建後に生じる骨接合部の癒合不全について、そのリスク因子を検討した。その結果、術後の放射線治療、下顎角・下顎枝部での骨接合、下顎骨の薄い部位での骨接合、骨の接触面積が少ない部位での骨接合がリスク因子として抽出された。今回作製した高精度の腓骨骨切りガイド使用の有無についても検討したが、使用症例が少なかったことより有意差は認めなかった。しかし、使用症例のすべての骨接合部位で良好な骨癒合が得られていたことより、正確な骨切りを行うことが骨癒合不全の減少に寄与していると考えられた。これらの結果の一部を各学会にて報告した。
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