研究課題/領域番号 |
20K10202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊藤 慎将 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (40633706)
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研究分担者 |
黒坂 寛 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (20509369)
山城 隆 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70294428)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 遺伝子変異 / パネルシークエンス / 非症候性部分無歯症 / 原発性萌出不全症候群 / Oligodontia / PFE / 口腔先天疾患 / 先天異常 / 遺伝子検査 / 非症候性多数歯先天性欠如 / 非症候群性原発性萌出不全 / TA; Tooth agenesis / 遺伝子パネル / 多数歯先天欠如 / 象牙質形成不全 / ゲノム解析 / 遺伝子診断 / プレシジョンデンティストリー |
研究開始時の研究の概要 |
顎顔面領域の先天奇形に関して、臨床現場では疾患単位の対症療法が主体であるが、同一疾患でも個々の患者で症状や発症部位、重篤度は多岐に及ぶ。そこには複雑な分子病態と患者の臨床症状を繋ぎ合わせるヒントが隠れていると考えられる。そこで、昨今がんゲノム医療で注目されるパネルシークエンスを取り入れる。パネルシークエンスにより多様な症状と原因遺伝子変異を紐づけるデータベースを構築し、将来的には非症候性の先天疾患に対して、原因遺伝子を特定するツールとして運用を目指す。さらに口腔領域の遺伝子診断のみならず、個々の症例に対し原因遺伝子に応じた治療法の分析と適用が可能なプレシジョンデンティストリーの緒とする。
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研究成果の概要 |
健やかな口腔環境の育成に障壁となる疾患として、非症候性部分無歯症(OD)、原発性萌出不全症候群(PFE)、象牙質形成不全(DI)に着目した。症状の多様性は原因遺伝子との関連が疑われた。そこで原因遺伝子変異を特定するためパネルシークエンスを導入した。 大阪大学歯学部附属病院矯正科に通院する患者のうち、OD、PFE、DIのいずれかを有する患者からDNA20サンプルを得て解析した。結果PFE、DIの症例はそれぞれPTH1R、DSPPの一塩基バリアントを特定できた。OD11症例のうち、2症例は特定不能、9症例は原因遺伝子を絞り込み、うち2症例は2つ以上の遺伝子変異を、7症例は1つの遺伝子を特定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代の高齢化社会において、健康寿命の延伸は重要である。健康な口腔環境が老齢期のQOLに直結するが、幼少期からの健やかな環境育成が重要である。一方大きな障壁となる疾患が存在し、代表例としてOD、PFE、DIに着目した。いずれも矯正歯科治療が必要な疾患であるが、個々の症例間で重篤度や疾患範囲にバラつきがある。症状の多様性の根本には原因遺伝子のバリエーションとの関連が疑われる。近年がん治療で応用されているパネルシークエンスを導入し、これらの口腔疾患の原因遺伝子を簡便に調べることができれば、より戦略的な治療が可能となることから、学術的、社会的意義は大きい。今回我々はその緒を見出す結果を得た。
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