研究課題/領域番号 |
20K10205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
長谷川 智一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (50274668)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 乳歯歯髄細胞 / CCL11 / 乳歯歯髄細胞株 / 乳歯 / 歯髄 / 歯根吸収 / 破骨細胞 / 静的圧迫力 / 低酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
CCL11に関する報告は医科領域では炎症やアレルギーなどに関するものが多く、新しい医薬品として CCR3阻害剤などの報告がhotである。歯科領域では慢性炎症である歯周炎に関するものが多く、歯肉細胞や歯根膜細胞におけるCCL11の解析が多い。 歯髄組織に強発現するCCL11の機能は、これまでに判明している好酸球の遊走誘導、 すなわち炎症の惹起・進行に関与するだけとは考えられない。なにか隠された機能があるのではないかと考えられる。歯の研究から全身generalな研究への橋渡しとなる可能性が考えられることから、本研究計画は非常に重要な意味があると考えている。
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研究成果の概要 |
我々はhTERT遺伝子を導入して不死化した乳歯歯髄細胞においてケモカインの一つであるCCL11の発現解析を行った。CCL11は各種白血球の遊走因子として知られ、歯周病の病態に関与することが示唆されている。歯髄疾患への関与も考えられるため、その発現調節機構について解析を行った。歯髄細胞株においてCCL11を構成的に発現し、その発現はFGF-2の投与により抑制されることが明らかとなった。FGF-2によるCCL11 mRNAの発現抑制は、SP600125のみがブロックした。以上の結果から、歯髄細胞株の発現するCCL11は、FGF-2によりJNK経路を介して抑制されることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年のCCL11についての研究はアレルギー疾患の炎症の成立や炎症の増悪機構、ケモカインレセプター阻害などによる好酸球の遊走コントロールによる治療法について多い。歯科においては歯周病での炎症の増悪機構における報告がほとんどである。 今回我々がケモカインCCL11によるヒト乳歯歯髄疾患への関与や根尖性歯周炎の成立、乳歯歯根の内部吸収や異常吸収に関係する可能性を検討するのは本邦では初めてではないと思われる。また乳歯歯髄細胞でのCCL11の強発現の報告も現在では我々のみである。乳歯の早期喪失の主要な原因である歯根の異常吸収のメカニズムが判明すれば、臨床応用も目指すことが可能となり得る。
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