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口腔レンサ球菌のペプチドグリカン-アセチル化酵素の機能解析とビルレンス制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 20K10268
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分57080:社会系歯学関連
研究機関広島大学

研究代表者

林 幾江  広島大学, 医系科学研究科(薬), 研究員 (00346503)

研究分担者 小原 勝  大垣女子短期大学, その他部局等, 教授 (80253095)
飛梅 圭  広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (40350037)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワードう蝕 / アセチル化酵素 / ペプチドグリカン / 口腔連鎖球菌 / アセチル修飾
研究開始時の研究の概要

本研究では、う蝕原因菌Streptococcus. sobrinusに存在する(a)MurNAcOAc 及び (b)ThrOAcの両者ペプチドグリカンのアセチル化修飾に関わる責任遺伝子を特定し、性状解析する。各々の組換えタンパク質、及びアセチル化酵素遺伝子欠損株、過剰発現株を作成し、(i)ペプチドグリカン修飾酵素反応を生化学的に解析し、(ii)TLR2など免疫機構認識や抗生物質に対する感受性、(iii)溶菌に対するペプチドグリカンの感受性などを検討し、ペプチドグリカンのアセチル化修飾はう蝕原因菌に何をもたらすのか?を解析し、ビルレンス制御因子としてアセチル化修飾の意義を解明する。

研究実績の概要

S.sobrinusに存在する2種類のアセチル化酵素遺伝子をバイオインフォマティクスより責任遺伝子候補を抽出し、アセチル化酵素の組み換えタンパク質作成に取り組んだ。S.sobrinus 5 のcontig 2, contig 34の設計したprimerでS.mutansでバンドは確認されないが S.sobrinusでバンドが確認できることを確かめた。PCR cloningによりN-acetyltransferase 組み換えタンパク質の作成実験の準備は整ったが、当初の予定より研究の進展が遅れているため、アセチル化酵素の組み換えタンパク質作成は後に行うこととし、S.sobrinus株のアセチル化酵素遺伝子欠損株(KO株,遺伝子改変株)の作成に取り組むこととした。
2種のN-acetyltransferaseを有する2菌種(S.sobrinus 5, S.downei 33)のゲノムDNAを抽出し、Nanoporeシーケンス及びイルミナシーケンスに供試し、ロングリード配列とショートリード配列を取得した。その後、Unicyclerによってショートリード配列とロングリード配列のハイブリッドアセンブリを行い、S.sobrinus 5 chromosomeは2,156,213bp、S.downei 33 chromosomeは2,216,104bpの全ゲノム配列を取得した。その中でN-acetyltransferase の遺伝子位置を明らかにし、遺伝子欠損株Δ05200、及びΔ01360のKO株作成に着手した。primerを設計し、fuse PCR法によりKO株をエリスロマイシン耐性寒天培地で選択した。これより得たKO株について、遺伝子欠損の確認、溶菌酵素感受性の検討および細胞壁・ペプチドグリカンの構造解析等に着手している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

離職や所属機関の異動が相次いで起こり、またそれに伴い新たな実験場所における使用機器の準備や遺伝子組み換え実験の新規申請等が必要となり、コロナ禍で余儀なくされた行動制限による研究の遅れと相まって、研究が当初の予定にそくして実施できなかったが、現在は体制が整ったため今後は問題なく研究遂行できる状況となった。

今後の研究の推進方策

S.sobrinusに存在している2種類のN-acetyltransferaseについてその機能を解析する。具体的にはエリスロマイシン含有寒天plateから選択したKO株、一つはS.sobrinus 5 Δ05200、もう一つはS.sobrinus 5 Δ01360について、野生株(S.sobrinus 5)を対象に各々、性状を確認する。1)溶菌酵素(mutanolysin, lyzozyme, automutanolysinなど)に対する感受性を検討する。2)ペプチドグリカンを可溶化したムロペプチドのHPLC分離、および質量分析計を用いた解析からペプチドグリカンの構造を解析し、特にN-アセチル化修飾したペプチドグリカンについてアセチル化の修飾部位とその比率を明らかにする。KO株として作成したN-acetyltransferase 遺伝子(05200、01360)の機能を確認するとともに、アセチル化のもたらす溶菌酵素に対する感受性を検討する。3)ペプチドグリカンのアセチル修飾のビルレンス制御機構への関与について、アセチル化酵素の過剰発現株等の作成から、アセチル化の割合と溶菌酵素感受性、各種消毒剤に対するMIC濃度の比較、TLR2など免疫機構認識や抗生物質に対する感受性などを検討し、ペプチドグリカンのアセチル化修飾はう蝕原因菌に何をもたらすのか?を解析し、ビルレンス制御因子としてアセチル化修飾の意義を解明する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Non-deacetylated poly-N-acetylglucosamine-hyperproducing Staphylococcus aureus undergoes immediate autoaggregation upon vortexing2023

    • 著者名/発表者名
      Kutsuno Shoko、Hayashi Ikue、Yu Liansheng、Yamada Sakuo、Hisatsune Junzo、Sugai Motoyuki
    • 雑誌名

      Frontiers in Microbiology

      巻: 13

    • DOI

      10.3389/fmicb.2022.1101545

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Proposal for salivary auto-transplantation as a probiotic against radiation-induced stomatitis2022

    • 著者名/発表者名
      M. Ohara, I. Hayashi, H. Takakura, D. Yamamoto, H. Mese
    • 雑誌名

      International Journal of Research in Engineering and Science (IJRES)

      巻: 10 ページ: 59-72

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 採取唾液48時間後の口腔常在菌叢の変化2021

    • 著者名/発表者名
      小原 勝、目瀬 浩、山本 大介、高倉 裕明、海原 康孝、石川 隆義
    • 雑誌名

      全国大学歯科衛生士教育協議会雑誌

      巻: 10 ページ: 29-38

    • NAID

      40022506490

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Corynebacterium striatum の β-ラクタム薬耐性機序に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      黒木香澄,林幾江,沓野祥,久恒順三,菅原庸,中野哲志,宮本仁志,村上 忍,濱 邦彦,菅井基行
    • 学会等名
      第52回薬剤耐性菌研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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