研究課題/領域番号 |
20K10279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
島津 貴咲 日本歯科大学, 生命歯学部, 非常勤講師 (80582254)
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研究分担者 |
島津 徳人 麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (10297947)
苅部 洋行 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50234000)
小口 莉代 日本歯科大学, 生命歯学部, 非常勤講師 (70869164)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 薬剤性歯肉増殖症 / 補完代替医療 / ファイトケミカル / フェニトイン / ニフェジピン / シクロスポリンA / ルテイン / TRPA1 / 補完代替療法 / ラット |
研究開始時の研究の概要 |
食品成分である“ルテイン”の薬物性歯肉増殖症の予防・緩和効果を明らかにする。治療法として、口腔清掃や歯肉切除術が一般的であるが、再発も多く治癒が難しい。そのため、発症予防や根本療法となる薬剤の開発が望まれている。近年、創薬ターゲットとして注目されているTRPA1チャネルが、ヒト歯肉線維芽細胞において活性化することで歯肉増殖活性が亢進することが示された。申請者らは、緑黄色野菜に含まれるルテインがTRPA1チャネル活性を抑制することを明らかにしている。本研究では、ルテインがTRPA1チャネルの阻害剤として機能し、薬物性歯肉増殖症の症状緩和に有効であることを立証する。
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研究実績の概要 |
本年度は、ルテイン(LUT)によるニフェジピン(NP)性歯肉増殖症の緩和メカニズムの解明を目的として、歯肉組織構成細胞や基質の運命決定機構に着目し、病理組織学的に形態解析した。所定の観察期間の後、上顎試料を摘出し固定液に浸漬させた。その後、実体顕微鏡にて観察し、脱灰パラフィン包埋、第一臼歯の矢状断薄切標本を作製した。切片は、HE染色、マッソントリクローム(MT)染色を施した。上顎第一臼歯の頬側歯肉幅を計測した結果、対照群と比較してNP投与群の歯肉が有意に肥大し、NP+LUT投与群の歯肉肥大が有意に軽減していた。HE染色像の観察では、NP投与群の歯肉が歯槽頂付近まで延伸しており、歯肉上皮組織の肥厚とエオジンに染まる好酸性基質沈着がみられた。また、NP+LUT投与群で同様の延伸がみられたが、その程度は軽微であり、上皮組織の肥厚や基質沈着は対照群と同程度であった。MT染色像では、歯肉中において青色に濃染する膠原線維の面積が、対照群と比較してNP投与群の面積が有意に増加し、NP投与群と比較してNP+LUT投与群の面積が有意に減少していた。以上のことから、食品成分であるルテインがTRPA1チャネルの阻害剤として機能をし、NP誘発性歯肉増殖症の予防・緩和効果に有効であることが示唆された。薬剤性歯肉増殖症の発現機構の病態解明に基礎を与え、LUTがNP性歯肉増殖症に有効な健康食品の開発に貢献する可能性を示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年の5月に新型コロナが5類に移行したことにより、これまで制限のあった研究活動が完全に再開され、予定通りの研究成果が得られるようになったため。
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今後の研究の推進方策 |
歯肉増殖症の発症機構とルテインの緩和作用機序を解明することを目的として、次の評価項目について病理組織学的に評価する。① 歯肉線維芽細胞でのTRPチャネルの発現と局在(抗TRPA1抗体、抗TRPV1抗体)、② 歯肉の上皮細胞と線維芽細胞の増殖活性(抗Ki67抗体)とアポトーシス細胞の検出(TUNEL法と抗カスパーゼ抗体)、③ 歯肉線維芽細胞による膠原線維の産生能(抗I型コラーゲン抗体、アザン染色)と分解能(抗MMP-2抗体、抗MMP-9抗体、in situ zymography)、④ 増殖した歯肉組織での炎症反応の波及範囲(抗CD45抗体)、⑤ 細菌の侵入程度(グラム染色)、歯肉増殖と細菌感染の関連性が疑われる場合には、歯肉増殖モデルにおいて抗菌薬投与群と非投与群を設定し、さらに、抗菌薬とルテインの混合投与群の設定にも着手する。
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