研究課題/領域番号 |
20K10287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
竹内 明子 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (00867179)
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研究分担者 |
的場 光太郎 北海道大学, 医学研究院, 教授 (00466450)
箕輪 和行 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (30209845)
兵頭 秀樹 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (30306154)
亀田 浩之 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (70829887)
長谷部 晃 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (90281815)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 死後画像 / 歯周病菌 / PCR / 歯周病 / 脳血管障害 / 定量的PCR / P.gingivalis / 歯周病原性菌 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性炎症としての歯周病は、糖尿病や心・冠動脈疾患、関節リウマチなどの全身疾患のリスク因子となることが知られている。これまでの研究により、歯周病と心・冠動脈疾患や頸部血管などの動脈硬化との関連が明らかになりつつある。しかし、歯周病と脳血管障害の関連や、歯周病の進行が全身血管に与える影響についての検討は十分ではない。本研究では、脳血管障害による死亡症例で、脳血管を含む全身の主要血管における歯周病原性菌の存在分布と歯周病進行度を対比し、歯周病進行度と血管障害発症リスクとの関連性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
ご遺体(法医解剖体)における死後画像取得(CTおよびMRI)により、大血管壁の肥厚・狭窄部の画像的検索を行い、血管プラークを含む主要大血管の血管壁を検体として採取した。これらの検体数は前年よりも5例追加され23例となった。 採取した検体から血管内皮を剥離し、DNA抽出・リアルタイムPCRにて菌体量を測定した。採取した血管壁のうち、頸動脈、胸部大動脈、腹部大動脈では、血管内皮の剥離は比較的容易であるのに対し、脳血管においては、血管内皮の剥離が困難な場合が多く、またDNA抽出時に十分な組織重量を確保するため、血管内皮を剥離せずに用いることとした。 胸部大動脈・腹部大動脈では特に血管内皮に石灰化プラークがみられることが多く、血管壁の石灰化部分では、DNA採取(抽出)が困難となる場合があった。このため、判別可能な範囲で石灰化を含まない血管プラークを検体として採取したが、採取した検体に目視困難な微細石灰化が存在することがあり、DNA採取(抽出)の精度が下がる事例があるため、工夫が必要である。個人差があるが、一般には高齢であるほど血管壁の石灰化傾向がみられるため、死後画像(CT画像)にて血管壁の石灰化が認められる症例では、石灰化部を画像ワークステーション上で抽出し、検索・計測を行い、スコア化を検討している。 また、法医解剖時にご遺体(法医解剖体)の歯科所見を採取し、残存歯数や歯科治療痕等のデータ取得をさらに進めている。さらに、症例増加により調整が必要となっていた残存歯における歯周病進行度のスコアを修正した。さらに、口腔内(歯周ポケット含む)細菌の採取とこれら細菌叢に対してPCRを行い、死後の口腔内細菌叢についての分析・検証を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度から継続して検体数を増やすことができ、検体採取に関しては順調に進んでいる。 死後画像取得において、CT画像取得やCT画像解析も順調に進んでいるが、共用施設・装置の使用に制限があり、ご遺体(解剖体)の死後MRI画像のデータ取得件数が予定より少ない状況である。また、解剖時に取得した組織検体からのDNA抽出の精度が下がる場合があり、検体採取部位・方法の検討やDNA抽出方法の検討に当初より時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
組織検体におけるDNA抽出時のばらつきを改善するために、高倍率ルーペや顕微鏡を用いた検体選定や検体採取を行う、DNA抽出に際しては、組織検体を事前に機械的(物理的)に破砕しDNA抽出の精度を高め、リアルタイムPCRによる検討を進めていく。死後画像死後画像解析(特にMRI)では前年度より少しずつではあるが、画像取得機会が増えており、次年度も継続してデータ取得を行うとともに、MRI撮像条件を工夫し(3Dイメージングなど)、解析を進めていく。 死後変化により口腔内細菌の存在条件が変化していくと想定され、死後経過時間による口腔内細菌叢の変化についての検討・検証もあわせて進めていく。
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