研究課題/領域番号 |
20K10294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
五月女 さき子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (20325799)
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研究分担者 |
村田 真穂 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (00444604)
山田 慎一 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 准教授 (50380853)
梅田 正博 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (60301280)
兒島 由佳 関西医科大学, 医学部, 教授 (70720655)
山口 泰平 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (80230358)
渋谷 恭之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90335430)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 放射線う蝕 / 低濃度フッ化物 / 放射線性う蝕 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線治療患者を2群にランダム化し、対照群は通常の歯科管理、フッ素群では0.145%フッ素含有歯磨剤をカスタムトレーにて夜間就寝時に作用させ、1年間に発生したう蝕を主要評価項目とする。先行研究の結果から目標症例数を80例とし、日本口腔ケア学会参加施設のうち賛同が得られた30施設の参加により、登録期間1年6か月、観察期間1年、統計解析6か月の予定で研究を実施する。また、何らかの理由で照射後抜歯あるいは顎切除が行われた症例より歯を収集し、X線回折により歯の表面のフルオロアパタイトの生成状態を観察する。
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研究実績の概要 |
頭頸部がんに対する放射線治療(RT)の重篤な晩期有害事象の一つに放射線性顎骨壊死(ORN)がある。我々の多施設共同後ろ向き観察研究ではORNの予防には、根尖病巣を有する歯や予後不良が予測される歯をRT前に抜歯すること、RT後に急速に発症する放射線性う蝕を予防することが重要であること、さらにその後3年間のRT症例について再度検討を行ったところ、感染源になりうる歯の照射前抜歯の励行や、強度変調放射線治療(IMRT)の進歩などがあったにもかかわらず、ORNの発症頻度は逆に有意に高くなっていることが明らかとなった。これらのようにORNの予防対策はいまだ十分ではなく、その理由の一つに放射線性う蝕の予防法が本邦では確立していないことが考えられる。放射線性う蝕の予防法として、良好な口腔衛生状態の確立や定期的な歯科管理、フッ素塗布などが挙げられる。 海外では1.1~2.0%の高濃度フッ化物をカスタムトレーにて毎日5分間作用させることが推奨されているが、本邦では0.145%までであり放射線性う蝕の予防法としてトレー法フッ素は一般に行われていない。低濃度フッ素をカスタムトレー法により長時間作用させることで放射線性う蝕の予防が可能かどうかについて、多施設共同ランダム化比較第Ⅲ相試験を実施することとした。放射線性治療患者を2群にランダム化し、対照群は通常の歯科管理、フッ素群では0.145%フッ素含有歯磨剤をカスタムトレーにて夜間就寝時に作用させ、1年間に発生したう蝕を主要評価項目とする。本年度は、前年度から登録している患者の3月ごとの受診時に口腔内状況の確認とブラッシング回数、トレー群では1週間のトレー使用日数を聴取した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ管理システム構築が遅れたことにより症例登録開始が遅れていたことに加え、昨年に引き続き、コロナ禍であり、対象患者の選定・同意を得ることが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度より引き続き症例登録を行う(渋谷・山田・兒島・山口・梅田・五月女 担当)。口腔が照射野に入る放射線治療を終了した、残存歯が10歯以上存在する患 者を登録し、REDCapを用いて割り付け、データ管理を行う。収集項目は、年齢、性別、原発部位、照射線量、照射法、照射範囲、抗がん剤併用の有無および種 類、トレー使用日数、歯垢指数(DI:Debris Index)、口腔粘膜湿潤度(口腔水分計ムーカス)、刺激唾液量(サクソンテスト)、新たに発生したう蝕である。 ZOOM等のオンライン会議を開催して症例登録等随時情報共有を行っていく。
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