研究課題/領域番号 |
20K10308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
三浦 宏子 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (10183625)
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研究分担者 |
大澤 絵里 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (30520770)
福田 英輝 国立保健医療科学院, その他部局等, 統括研究官 (70294064)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 歯科口腔保健 / 健康寿命 / 健康格差 / 総合的評価指標 / 年齢調整 / 包括的口腔保健評価指標 |
研究開始時の研究の概要 |
全ライフステージにおいて、「歯・口腔の健康格差」の縮小を図ることは、地域歯科保健の大きな課題であるが、成人期以降の「歯・口腔の健康」の地域差に関する研究は少なく、その可視化は十分になされていない。本研究では「歯・口腔の健康寿命」評価法を開発し、「歯・口腔の健康寿命」の地域差を明らかにすることを目的とする。 評価法の開発にあたっては、「健康寿命」の算出でも用いられているサリバン法を用いて、咀嚼に着目した「歯・口腔の健康寿命」評価法を考案する。関連する政府統計データを活用し、都道府県レベルでの「歯・口腔の健康寿命」を求め、GIS(地理情報システム)による地域差の可視化を図る。
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研究実績の概要 |
厚生労働省が2022年度に提示した歯・口腔の健康格差の縮小に関する3つの指標(①3歳児で4本以上のう蝕のある歯を有する者の割合、②12歳児でう蝕のない者の割合が90%以上の都道府県数、③40歳以上における自分の歯が19歯以下の者の割合)について、2022年度中に入手できた公的統計データを二の割合については年齢調整した値を求めた。年齢調整の方法は、平成27年を基準人口とし、平成28年の歯科疾患実態調査の結果を用いて算出した。これらの3つの指標とも直線回帰モデルを用いて決定係数を求めたところ、いずれにおいても決定係数0.85以上で直線回帰モデルによる将来予測が可能と考えられた。2032年の予測値は、①3歳児で4本以上のう蝕のある歯を有する者の割合では0.7%、②12歳児でう蝕のない者の割合が90%以上の都道府県数の増加では15都道府県、③40歳以上における自分の歯が19歯以下の者の割合では4.5%であった。 この3指標のうち、特に歯・口腔の健康寿命を最も包括的に評価できる指標は「40歳以上における自分の歯が19歯以下の者の割合」と考えられた。40歳以上のすべての年代を包含する指標であるため、平成27年平滑化人口に基づく年齢調整値を求めることによって、今後の人口の高齢化の影響を受けない値の算出が可能となった。また、令和3年の学校保健統計調査の歯・口腔の健康に関する諸指標についてzスコア分析を行い、都道府県格差を一元的に可視化した。併せて、国際歯科連盟(FDI)が2021年に公表したAdult Oral Health Standard Set (AOHSS)を、わが国の歯科保健対策に活用できるかを分析したところ、現時点では簡便性と妥当性が確保できないため活用することは困難と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の遂行には、歯・口腔の健康に関する調査項目が包含されている歯科疾患実態調査や国民健康・栄養調査の直近値の分析が必要である。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大のため、本来、2021年に実施される調査自体が2022年の11月に延期されたため、データ解析を進めることができなかった。一方、学校保健統計調査については、当初の予定どおり二次利用申請を行い、詳細なデータ分析を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究事業は2022年度を最終年度として計画していたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けて延期された歯科疾患実態調査と国民・健康栄養調査の二次利用が可能となるのが2023年秋ごろとなったため、補助事業期間を延長していただいた。2023年度の研究については、まず2023年夏に公開予定の2020年特定健康診査の標準的質問票の項目13「咀嚼」に関する分析を進め、過去3年分(2018年~2020年)のデータ変化の推移を把握する。並行して、2022年の歯科疾患実態調査と国民健康・栄養調査の二次利用申請手続きを進め、データ利用が可能になり次第、歯・口腔の健康格差分析を進め、2022年度に未達だった研究項目についてまとめる。
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