研究課題/領域番号 |
20K10311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
福田 妙子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40228911)
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研究分担者 |
堀口 裕正 独立行政法人国立病院機構本部(総合研究センター), 診療情報分析部, 副部長 (50401104)
今井 志乃ぶ 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (50608750)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 高齢患者 / 手術 / 日常生活活動 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者が手術を受ける場合、退院後に日常生活活動の低下が認められることが多い。この術後日常生活活動低下に深く関わる患者因子を明確にし、患者および社会福祉の両面に貢献できる基礎的データを得ることが本研究の目的である。 研究内容は、国立病院機構に集積される全国63病院の電子カルテおよびDPC/レセプト情報を解析し、大腿骨近位部骨折術後の日常生活活動低下の予測因子を導きだすとともに、85歳以上の高齢者の特徴を明らかにする。また、今回得られた予測因子と過去に発表されている他の予測方法との比較検討を行う。さらに、今回導きだされた予測因子が他の手術(大腸がん手術を予定)にも応用できるか検証する予定である。
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研究実績の概要 |
大腿骨近位部骨折と大腸癌の術後の日常生活活動低下を予測する予測式を開発した。平均年齢が10歳以上異なっていたため、完全に同じ変数を使用して予測式を作成することはできなかったが、どちらも基礎的患者情報及び通常の術前検査情報を基に術後の日常生活活動の低下を予測することができた。 大腿骨近位部骨折手術については、3120症例を予測式開発用(2497症例)と検証用(623症例)の2群にランダムに分けた。独立因子として、基礎的データ (年齢、性別、BMIなど)、併存疾患、血液データ、バイタルサインを使用した。予測式開発用症例において、基礎的データを使用したBasic Formula、基礎的データと併存疾患を使用したComorbidity Formula、基礎的データと併存疾患と血液データとバイタルサインを使用したLaboratory & Vital Sign Formulaを3つの予測式を開発し、それぞれの予測式の感度・特異度を調査した。さらに、検証用症例を使用してLaboratory & Vital Sign Formulaの精度を確認した。 大腸癌手術については、690症例を使用した。独立因子として、基礎的データ (年齢、性別、BMIなど)、併存疾患、血液データを使用した。比較する予測式としては、過去に発表されていたGNRI とCR-POSSUMを使用した。最後に、日常生活活動が低下低値であった症例の退院先や医療費を調査した。 高齢者の術後生活活動の低下は、本人・家族・社会保障に対して大きな影響・負担をもたらす。高齢化社会になって、年齢に拘らず大規模手術が施行されるようななってきた現在、この生活活動能力の低下をいかに防ぐかは大きな課題となっている。予防するためには、まず正確且つ簡易に予想できることが重要である。本研究は、この予測という点で、今後大きな貢献ができるものと考えられる。
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