研究課題/領域番号 |
20K10319
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 敦賀市立看護大学 (2022) 岐阜大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
林 祐一 敦賀市立看護大学, 看護学部, 教授 (00392366)
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研究分担者 |
鈴木 昭夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (80775148)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 転倒 / 高齢者 / 院内転倒 / 転倒予測 / 電子カルテ / ポリファーマシー / 病院 / 薬剤 / リスク因子 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の院内転倒予測には2つの問題点がある。①時間外・緊急入院や、看護師の多忙を理由に転倒が予測されず、無対策のまま転倒する場合と、②採用している転倒予測アセスメントツールが、院内の転倒を正しく予測できないために十分な対策がされずに転倒する場合である。この2つの重要な問題を解決するために、最適な転倒予測項目の同定と重みづけを行うことに加え、電子カルテシステムの関心データへの紐づけ機能を用いて院内転倒の予測自動化システムを開発したい。どのような臨床情報を関心データとして紐付させるかが重要で、転倒予測自動化のために最適な転倒予測に関連する臨床情報を明らかにする。
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研究実績の概要 |
【研究の背景】高齢者の院内転倒は医療安全上重要な防ぐべき課題である。そのため、入院時には看護師などが転倒予測を行い、転倒防止策を実施している。しかし、転倒予測から院内転倒がおこりうると判定された患者にのみ、転倒防止策が行われている。 【方法】脳神経系障害を主として入院した患者(2000例)を解析し、院内転倒した患者100名余を同定した。この患者に対して、①院内転倒予測率を算定した。②院内転倒予測が行われて転倒したかどうかを調査した。そして、院内転倒が事前に予測されていた患者群と予測されていなかった群に対して、被害状況ダラー評価項目の数値を比較した。③院内転倒予測を改訂泉式から、他の3つの転倒予測スケールに変更し、シュミレーションしたところ、どの程度予測率が高まるかについて転倒患者の電子カルテデータを用いて検討した。 【結果】①改訂泉式転倒スケールでは、予測率が67.3%と低かった。②被害状況は、Level 2以上の転倒したケースが、事前予測せず転倒した群で有意に高かった(P=0.026)。③院内転倒予測をJH式、Mose式に変更してシュミレーションすると、それぞれ98%に予測率が高まることが明らかとなった。 【考察】Mose式では、デバイスおよび薬剤項目、JH式では、薬剤項目が予測率を高める理由になっていた。Mose式とJH式で差がないことから、デバイスに対する項目はそれほど問題ではなく、薬剤項目が転倒予測に重要と考えた。そして、転倒しやすい薬剤は看護師が一目瞭然になるよう、電子カルテの紐づけ機能を活用し、薬剤項目のある転倒スケールに置き換え、実用化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス感染症のため発表が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
転倒スケールを従来のものから新しいものに変化させて、実際に転倒予測率が高まるかを調査している。我々が得た結果をもとにした仮説を証明することができる。
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