研究課題/領域番号 |
20K10321
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森山 智彦 九州大学, 大学病院, 准教授 (20452758)
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研究分担者 |
上田 真太郎 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (10823445)
工藤 孔梨子 九州大学, 大学病院, 助教 (50644796)
清水 周次 九州大学, 大学病院, 名誉教授 (70274454)
樫田 博史 近畿大学, 医学部, 教授 (80338441)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 遠隔医療 / テレカンファレンス / e-learning / 大腸がん / 内視鏡診断 / 遠隔教育 / 国際協力 / アジア / 情報通信 / 国際遠隔医療教育 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、大腸内視鏡検査を行う医師の技術によって大腸癌の予防効果が大きく異なることが明らかになったが、アジアでは日本や欧米に比べて大腸内視鏡検査の質を表す腺腫発見率が総じて低く、内視鏡医間の技術や知識の差が大きいことが推察される。以前から日本の医師が大腸内視鏡検査の直接指導を行っているが、散発的な教育の効果は十分とは言い難い。そこで、アジア各国を接続して大腸癌に関するカンファレンスを定期的に開催することで継続的かつ効率的教育プログラムを構築し、アジアにおける大腸癌診療における格差を解消した上で早期発見率の向上に寄与できるかを明らかにし、大腸癌死亡率の低下を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、テレカンファレンスやe-learningなどインターネットを用いた遠隔医療を活用することで継続的かつ効果的な国際医療教育を構築し、アジアにおける大腸がん診療の格差解消を目指している。 3年目となる2022年度は下半期から海外への渡航制限が段階的に緩和されたため、インドネシアへ渡航して内視鏡診療の現状を確認すると同時に、フィリピンやマレーシアなどとは遠隔会議を通じて本研究の継続可能性について討論を行った。いずれの国においても徐々にではあるが大腸内視鏡検査数は回復段階にあるものの、コロナ禍以前と同様というわけではなく、本研究の主たる対象となる若手内視鏡医が充分に検査を施行できている状況にはなかった。また、この数年間で各国ともに医療データの海外への持ち出しに関するルールが厳格化されてきており、患者に関わるデータの収集が難しくなっていることが判明し、本研究の主要評価項目として予定していた腺腫発見率(ADR)の正確な算出が困難と考えられた。その一方で、今年度に2回実施したアジア各国の医療機関を接続した内視鏡診療に関するテレカンファレンス、4回実施した中国とのテレカンファレンスを通じ、コロナ禍でアジア各国のネットワーク環境が劇的に改善したことがわかった。そこで、評価項目を大腸がんの内視鏡診断テストの点数として、e-learningの有用性を検証するため、大腸がんの内視鏡診断のコツに関するビデオを共同研究者と作成し、テスト用の内視鏡画像の収集を開始した。次年度の試験実施へ向けて研究期間の延長申請を行うと同時に、数多くのテレカンファレンスを実施してアジアを中心とした海外内視鏡医との人的ネットワークを更に拡充している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の開始時期がコロナ禍と重なったため、海外への渡航制限によりアジアの現地調査ができなかったと同時に、緊急性が高い医療行為と判断されなかった大腸内視鏡検査の検査制限がアジア各国で行われたため、本研究をなかなか開始できない状況が続いた。ただし、その間も拠点施設を含めたアジアの医療機関を接続した内視鏡診療に関するテレカンファレンスを数多く実施することで各国のインターネット環境の確認と人的ネットワークの拡充を行った。コロナ禍を通じて年々厳格化する医療情報の海外持ち出しの制限に対しては、評価項目を大腸がんの内視鏡診断テストの点数へと変更し、e-learningを用いた研修へ向けて教育コンテンツとテストの作成を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
時間的制約もあることから当初予定していた海外施設訪問は極力行わず、e-learningビデオの充実化と質の高い大腸がん内視鏡診断テストを作成することに注力し、教育動画を掲載して試験を実施するオンラインプラットフォームのための費用として用いる予定である。
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