研究課題/領域番号 |
20K10324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
横山 彰三 宮崎大学, 医学部, 教授 (60347052)
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研究分担者 |
南部 みゆき 宮崎大学, 医学部, 准教授 (90550418)
本部 エミ 宮崎大学, 多言語多文化教育研究センター, 講師 (10755515)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 医療人文学 / プロフェッショナルアイデンティティ / 内省/リフレクション / コミュニケーション / 仏教思想 / ネイティブアメリカンの叡智 / ナラティブ / ネイティブアメリカン / 叡智 / 苦海浄土 / 仏教 / 東洋思想 / 癒し / 医学教育 / PIF / 物語能力 / 共感力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究で扱うPI形成とは人文学的手法を通して「患者の痛みを思い描き共感し、それを微細に言語化し相手と繋がるコミュニケーションと物語能力の獲得」と定義する。具体的には「文学作品」精読を通した感情推測能力に加えて、プレイバックシアター(即興再現劇)を活用した共感力、リフレクティブライティングによる自己観察力と自己共感力、絵画(美術作品)鑑賞を通した微細表現力などの諸資質涵養を目指す。
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研究成果の概要 |
物語的な知と医療における重要性について、患者の語る物語(ナラティブ)に含まれる複数の声という視点から捉えた。プレイバックシアター(PBT)を通してナラティブ理解を深めるためにPBTの調査を実施した。医療人文学のテキストとして『苦海浄土』を取り上げた。石牟礼道子の希求した浄土とはなんであったのかについて調査した。日本における仏教のありよう、特に仏教を通した私たち日本人の世界観を繙く必要があるため、仏教関連の調査を実施した。医療を人間が生まれて生きて死ぬという全体性の観点から捉えなおすために、古来より続く叡智、ネイティブアメリカンの死生観や癒しの概念について調査した。15回の講義をデザインした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医学部は専門学校である。病気をどう治すかに特化した高度な専門学校である。患者に寄り添う医療をうたいながらもまずは専門知識とスキルの習得に重点が置かれ、そのカリキュラムは過密であり、患者や同僚との深い対話を取る時間はわずかである。逆説的ではあるが、医学とはむしろほど遠いところにある人の苦しみや喜びを織りなす物語を理解することに、よき医療者として必要な叡智が潜んでいる。多忙な医学生にこそ、書物を手に取りじっくりと自己と他者との対話を勧めたい。大切なことには時間がかかるのだ。それは深まれば、現代では失われつつあるスピリチュアリティ(たましい、精神性)という宗教性に昇華されるものかもしれない。
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