研究課題/領域番号 |
20K10328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
鈴木 岳之 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (90187740)
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研究分担者 |
中村 洋 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 教授 (60286656)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 医薬品産業 / 新薬 / 製薬企業 / 薬価 / 医薬品市場 / 適応 / 希少疾患 / 医薬品開発 / 産業経済分析 / ライフサイクルマネジメント / アンメットメディカルニーズ / 医薬品売上 / 承認申請 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の医療制度は非常に優れたものであるが、高騰する医療費削減のため、薬価の切り下げが定常的に行われる。そのため、医薬品開発の主体となる内資系製薬企業の収益性がおさえられている。その結果、内資系製薬企業の国際的競争力が削がれている可能性がある。本研究では、製薬企業のR&D活動に大きく影響するこのような日本の医薬品市場の特性を明らかにするため、実際の医薬品売上データや新薬の承認時データからデータベースを作成し、その特殊性を医療面からだけではなく、経済的側面から明らかにする。そして、海外市場で競争力を持つ日本発の医薬品創出を高いレベルで維持するための戦略を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は継続的な新薬創出を行うことによりアンメットメディカルニーズを解消しつつ、企業の収益性を高める方策を検討するため、日本における医薬品の産業経済的分析を行ってきた。日本市場の特性として、ドラッグラグの解析、薬価の変動、医薬品売上の変動要因の解析を行った。2010年以降に発売された医薬品のデータベースを構築し、それらの解析に用いた。その結果、ドラッグラグは解消されつつあるが、依然として存在すること、医薬品価格は対象患者数の人数が少ないほど低下しないこと、現状で大きな売り上げをもたらす医薬品の要因として適応拡大があげられることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
製薬産業は日本が世界をリードする立場に立てる可能性のある業界でもある。本研究では規制産業であり、保険制度および薬価制度により、他の産業とは異なる日本独自の構造を有する医薬品市場の現状と将来性を検討し、世界的に通用する医薬品を継続的に創出するためにはどのような戦略が必要となるかを検討した、アカデミアとしては初めての研究である。これまでアカデミアでは語られなかった産業面からの視点で、日本発の創薬を継続的に推進するための基盤形成の方略を、産官学を横断した立場から検討するという本研究は、特に、薬価算定にかかわる厚労省や、製薬産業に対して現在進行形で大きなインパクトを与えていると考える。
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